25.2km/Lの燃費性能と1.5L並みの走りを実現した新型ノートのエンジンとは!?

世界初公開された日産新型ノート。

やはり気になるのはHR12DDRエンジンですね。

この直列3気筒1.2Lスーパーチャージャーエンジンですが、その燃費性能を実現させた技術をみてみましょう。

スーパーチャージャーは空気を圧縮してシリンダーに送り込むポンプをエンジンの出力軸で駆動する過給器ですが、過給が不要な状況では駆動ロスとなるため、電動のON/OFFクラッチによって、過給が不要な時はカットして燃費性能を向上させています。

過給器つきエンジンとしては非常に高い圧縮比12を実現して燃焼効率を向上させました。

マルチホールインジェクター(噴射口6個)、15MPa高燃圧システム、強タンブルポートを採用した直噴システムで、シリンダー内に噴射した燃料の気化潜熱を利用してシリンダー内の混合気を冷却します。

吸気行程でバルブを閉じるタイミングを遅らせるミラーサイクルを採用して高膨張比を実現。また外部EGRとの組み合わせでポンピングロスを低減。

スワールコントロールバルブの採用で燃焼効率を改善しました。

ピストンクーリングチャンネル、高熱伝導ピストンリング、ナトリウム封入バルブ、真鍮バルブガイドを採用して燃焼室の冷却効果をアップ。

バルブリフターやピストンリングに水素フリーDLCコーティングを施し、カムシャフトやクランクシャフトには鏡面加工。そして可変燃料オイルポンプ、ビーハイスプリング、真円ボアを採用して、HR12DEエンジンよりもフリクションを10%低減させました。

25.2km/Lの燃費性能と、15Lクラスなみのトルクを確保するための技術の数々。すごいですね。

(ぬまっち)

この記事の著者

ぬまっち(松沼 猛) 近影

ぬまっち(松沼 猛)

1968年生まれ1993~2013年まで三栄書房に在籍し、自動車誌、二輪誌、モータースポーツ誌、鉄道誌に関わる。2013年に独立。現在は編集プロダクション、ATCの代表取締役。子ども向け鉄道誌鉄おも!の編集長を務める傍ら、自動車誌、バイク誌、鉄道誌、WEB媒体に寄稿している。
過去に編集長を務めた雑誌はレーシングオン、WRCプラス、No.1カーガイド、鉄道のテクノロジー、レイル・マガジン。4駆ターボをこよなく愛し、ランエボII、ランエボVを乗り継いで、現在はBL5レガシィB4 GTスペックB(走行18万km!)で各地に出没しています。
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