7/14に発表された無限CR-Z GTですが、 こんな出来立てのレーシングカー、しかも割と秘密の多いスーパーGTマシンに接近出来る事はなかなかありません(GT300はGT500程、機密保持に神経質ではない??)。
おそらくこの車はもてぎでのシェイクダウン仕様=暫定仕様で、7/28,29に菅生でデビューする際には更なる進化+菅生仕様で現れるでしょう。
とはいえスルーは勿体無い。折角なのでWebでディティールをチェックしてみましょう。
無限CR-Z GTはスーパーGTシリーズのGT300に参戦するマシンです。現在このGT300クラスにはFIAのGT3という規格のマシン と以前からスーパーGTで走っているマシン:N-GTマシンが2種類が混走しています。無限CR-Z GTは N-GT規格で作成されています。今年は開幕からFIA-GT規格のマシンが連勝していますが、勝ちっ放しを認めない事が前提のスーパーGTですから、重量調整やリストリクター径を絞る等の 性能調整が入る事でしょう(リストリクター径を絞ると空気の吸入量が制限され、エンジン出力 が抑えられます)。
このCR-Z GT、全体の雰囲気は市販車とよく似ていますが、コックピット部分の前後を挟むバルクヘッド(仕切り)の前後はパイプフレームとなっている筈です(流石に会場では公開されません)。そしてカウル類はカーボンファイバーでしょう。ヘッドライトは市販車とほぼ同形状でしたが後で写真を確認すると、
…カーボンですね。他の共通部分ですが、ココのパーツ
は市販車と共通デザインの様です。また、リアルーフ後方には穴が開いています。
アシスト用モーターの冷却用に穿たれていました。
一方エンジンですが、市販車と異なり2.8リッターV6ツインターボ!エンジンとなります。モーターはミッションの左側に取り付けられます。モーターに加えてハイブリッドシステムのキモとなるバッテリーとインバーターですが、重量配置適正化の為に助手席に積まれます(バッテリーが下、インバーターが上)。
こちらの蓄電方法はトヨタのTS030とは異なりキャパシタではないので、瞬間的な高電圧の取り出しには向かないですが、 自社ハイブリッド技術という意味ではバッテリーの方が実用化・最適化が進んでいるからではないでしょうか。なお、ドライバーの冷却!はクールスーツの冷却システム(小型のクーラーボックス)を積む位置にも苦労をするとの事で、エアコンなど別の方法も検討しているとの事でした。
ブレーキシステムはアルコン。シェイクダウンテストの仕様のままなのか、貼り付け式の温度計が モノブロックのブレーキキャリパーに4輪とも貼られたままです。
タイヤはブリヂストンですが、GT500のホンダ車の多くがブリヂストンを使用しています。また、1チーム専用でタイヤを作るため、本来の性能発揮は早いと思われ、終盤はアドバンテージが期待されます。
リアセクションはディフューザーとスプリッター(仕切り板)が4枚あります。
リアスポイラーのステーは最近の例に漏れず、ボディーワークの外側に設けられています。シャシーの最も外側に取りつける事で押さえつける力が最も効果的に働きますね。また、ボディーワークと離す事でボディー後端まで空気を乱す事無く風を流したいという考えが感じられます。そのステー同士の間には丸パイプのステーが有ります。
このあたりはボディーがコーダトロンカ(後端切落とし)形状となっているため、整流への影響は少なく、またこれより後ろに空力パーツが無いので丸棒で充分なのでしょう。また、フェンダー上のフィンや段差を埋めるカーボンプレート等、「空力は落穂拾い」と云われる努力の跡がそこここに見られます。
フロントのインテークもアウトレットも冷却系の空気取り入れ口は中は見えない状態です。
おそらくラジエーターの サイズも暫定でしょう。この辺は菅生でのデビュー戦で明らかになる事でしょう。無限のワークスカラーとエースナンバー16を纏ったCR-Z GT。デビュー戦からの活躍に期待しましょう。
菅生のスーパーGTレースは7/29(決勝日)ホンダ本社・ウェルカムプラザ青山の2Fでパブリックビューイングが行われます。開場は13:00~16:00との事。13:00までは1Fの8耐を楽しみつつ、スーパーGT観戦、終わればまた8耐。鈴鹿もスーパーGTもと云う欲張りな方に絶対お奨めです!
■ウェルカムプラザ青山7/29のイベント告知
http://www.honda.co.jp/welcome-plaza/event/2012/20120729/
(川崎BASE)
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