【動画】大型2種免許だけで運転できないバス!?【ゆとりーとライン】

一般的に路線バスの運転には大型2種免許が必要ですが、日本には大型2種免許だけで運転できない路線があるのをご存知ですか?

法規上は鉄道になるトロリーバス

一つ目は黒部立山アルペンルートにある立山黒部貫光・立山トンネルトロリーバス、二つ目は関西電力・関電トンネルトロリーバス。

この2つは名前の通り、架線から電気を取り電力で走るバスで、日本の法規上では無軌条電車というジャンルに入る、れっきとした鉄道。

無軌条電車の運転は大型2種免許のほか、動力車操縦者運転免許という鉄道の運転免許も必要です。

日本には現存するトロリーバスはこの2つの路線しかないのですが、実はもう一つ「無軌条電車」に該当するバス路線があります。

それは名古屋にある「ゆとりーとライン」

見た目は普通の路線バスです。

ゆとり―とラインの車両はトロリーバスでは無く、見た目はごく普通のバスですが、走行する路線が専用高架道路にガイドレールを備えた場所を走る為、鉄道になるそうです。

停留所に入ってくる風景も特に変わった印象はないようですが・・・・

ゆとり―とラインは「鉄道」となる専用軌道区間と、「バス」である平面走行区間があり、専用軌道に入る際に「モードチェンジ」を行います。

モードチェンジと言ってもガイドローラーが出てくるだけですが、これによりドライバーはハンドル操作が不要となり、専用軌道内はアクセルとブレーキ操作だけで走行します。(車両は全てAT車)

ゆとりーとラインは「鉄道」という区分ですが、車両は電気を使用しないため気動車扱いとなり、バスでありながら鉄道形式も存在します。

現在ゆとりーとラインでは三菱ふそう製と日野自動車製のバスがありますが、三菱ふそう製がGB1000形、同リフト付がGB1100形、日野自動車製がGB2000形、同リフト付きがGB2100形となっています。

ディーゼルエンジンバスでありながら、鉄道の運転免許と鉄道形式がある営業路線は日本でもここにしか存在しないそうです。

最後に専用軌道の大曾根駅から、平面走行区間の終点である高蔵寺までの全行程を収めた動画を発見しましたので、お時間のある方は是非ご覧になってください。(全行程で41分あります)

前面展望は高速道路を走るバスか、ゆりかもめからの展望に似ていますが、ちょっと不思議な感覚ですね。

ゆとり―とラインはナゴヤドーム前に専用軌道の駅がありますので、観光でお出かけの方は地下鉄ではなく、ゆとりーとラインに乗ってみてはいかがでしょう?

■名古屋ガイドウェイバス ゆとりーとライン
http://www.guideway.co.jp/

(井元 貴幸)