フェンダーミラーが絶滅寸前!? フェンダーミラー仕様車が減っている理由とは?

一般の自家用車ではめっきり見なくなったフェンダーミラー。筆者が免許を取った頃は、教習車がC32ローレルからC33ローレルへ入れ替えている時期で、教習はフェンダーミラー車とドアミラー車の両方で教習していました。

当時はタクシーを初め、パトカーもフェンダーミラーが当たり前の時代でした。ところが、最近ではパトカーも170系クラウンからはドアミラー車になっています。

さて最近でもフェンダーミラーを使い続けているクルマと言えばタクシーやハイヤー。

タクシーやハイヤーが何故フェンダーミラーを使い続けているかと言えば、大きな理由の一つとして、助手席に乗客を乗せた場合、後方確認等の為に左ドアミラーを確認する際に、助手席の乗客の顔を覗き込むようなカタチになるという理由が大きいようです。

ほかにもベース車でドアミラーがオプションであったり、長年フェンダーミラーに慣れているベテランドライバーからはフェンダーミラーの方が見やすいと言った意見もあるようです。

しかしながら最近法人タクシーでも、徐々にドアミラー車が増えているのをご存知ですか?

法人タクシーのベースと言えば、Y31セドリックとクランコンフォート、クラウンセダンが大多数です。そんなシェアの一角を占めるY31セドリックの営業車から、フェンダーミラー仕様車が消えていました。実際ラインナップからフェンダーミラーが選択出来なくなったのは2009年の改良以降から。

全グレードでドアミラーが標準装備となり、フェンダーミラーはオプションでも選択する事ができません。

1987年からマイナーチェンジだけで今も生産され続けるY31型セドリックセダン。ミラーだけ部品で付けてしまえば?とも思いますが、実は2009年の改良でフェンダー形状が変わっており、どう頑張ってもフェンダーミラーを装着できません。

こちらは2009年以前のY31セドリックのフェンダーとフェンダーミラー。

こちらは2009年以降のY31セドリックのフェンダー。

なんとボンネットがフェンダーまで回り込み、フェンダーミラーを設置するスペースがありません。物理的に装着不能となっています。

これでセドリックのタクシーはドアミラー車のみとなりましたが、クラウンコンフォートやクラウンセダンは、まだまだフェンダーミラーがメインで、クラウンコンフォートに至っては、逆にドアミラー仕様車の設定がありません。

1995年に登場したクラウンコンフォート、登場から17年が経過し、登場から25年が経過するY31セドリックと共に、いつフルモデルチェンジしてもおかしくないタクシーのベース車ですが、次のモデルチェンジではクラウンからもフェンダーミラーが消えてしまうのでしょうか?

タクシー業界からも姿を消しつつあるフェンダーミラー。でんでん虫のようなそのスタイルが無くなって行くのも時間の問題のような気がします。

(井元 貴幸)