東京おもちゃショーで注目を浴びていた、トヨタのコンセプトカー「Camatte」。これを見た瞬間に、筆者の頭をよぎったのが、70年代にブレイクしたキットカー「スターリング ノヴァ」。
キャノピータイプのドアが特徴でしたが、この機構は「Camatte」のキャノピードアと開閉方式が似ていると思いませんか?
「Camatte」には、ボディパネルを簡単に着せ替える事が出来る、おもちゃ感覚のカスタマイズカー要素が盛り込まれていますが、スターリングノヴァもキットカーという点では、感覚的には「大人のおもちゃ」といえますね(!?)
登場当時のノヴァは、フォルクスワーゲン・タイプ1、いわゆる初代ビートルのシャシーに、スターリングから購入したボディを自宅のガレージなどで乗せてしまうのがキットカーでした。
全長4420x全幅1753x全高1067mm
ホイールベース2400mm
車両重量700kg
スペックからも、その低い車高がお分かり頂けると思います。
エンジン音はまさにタイプ1の音ですね。
ノヴァのキットはヨーロッパだけでも5000セット以上の発売実績があったそうです。当時はスターリングのあるヨーロッパだけでなく、諸外国でもライセンス生産を行っておりました。
映画「キャノンボールⅡ」にも登場するほどの人気だったクルマですが、実は現代でもこのキットカーを購入する事が出来ます。
今日ではスターリング・RXと名前を変え、生産もアメリカに移り、シャシーも専用のパイプフレーム、ボディもカーボンを使用したりと、進化を遂げています。パイプフレームとする事でエンジンの選択自由度も広くなったそうです。
スターリングRXの価格はエンジンレスで約200万円。
残念ながら日本の公道では走る事の出来ないキットカー(組み立て済み状態で輸入して、認可が下りれば走行可能)ですが、キャノピードアや組み立て式のボディなどはCamatteに通じる所があると思いませんか?
(井元 貴幸)