いまだに人気の高いスバルのスペシャリティクーペアルシオーネSVX。ジウジアーロデザインのそのエクステリアは20年以上も前のクルマとは思えない美しさ。
Cd値0.29と言う数値は現代においては特別驚くべき数値でもありませんが、同時期に販売されていた国産スポーツカーの代表であるホンダ NSXが0.31だと言う事を知れば、NSXを上回る空力特性に優れたクルマだと言う事がわかります。
搭載されるエンジンは3.3L 水平対向6気筒DOHCエンジンを搭載。駆動方式はスバルならではのフルタイム4WD。
現行レガシィにも搭載されているVTDセンターデフはSVXで初めて採用された物でした。
まさしくグランドツーリングに相応しいエクステリアとパワーユニットを備えたスペシャリティクーペでした。
新車価格約400万円のグランドツーリングカーとしてはインテリアがいささか安っぽく、外観とのギャップが欠点でもありました。
SVXには登場時Version LとVersion Eと言う2つのグレードが存在しましたが、エンジンも、トランスミッションも駆動方式も同じこの2つのグレード実は型式が違います。Version LはCXD Version EはCXW。
両車の違いは操舵の方式にありました。Version Lには当時最新技術である電動の4WSを備え、Verson Eには装備されておりませんでした。ちなみに後に追加となるS40、S40Ⅱ、S3,S4いずれも4WSは装備されないCXW。つまりCXD=Version Lとなるわけです。
SVXには限定車であるS40やS3がありますが、総生産台数1905台のCXDの方がCXWより中古市場でも価格は高値で取引されているようです。
20年以上も前のクルマでありながら200万円を超える価格を付ける物もあり、それだけファンが多い事と、レアなクルマである事が伺えます。
数あるスバルの歴代2ドアモデルの中でも特別な存在であるアルシオーネSVX。
現代のクルマ事情を考えると、SVXのみならず2ドアスペシャリティというジャンルは絶滅してしまうかもしれませんね。
(井元 貴幸)