アウディA1スポーツバックには美人ママがイチバン似合うと思ったそのワケとは?【Audi A1 Sportback試乗】

先日発表されたアウディA1スポーツバック

コンセプトはプレミアムコンパクトで、4ドアが便利に使える家族持ちがメインターゲット。その中でも自分の価値観をしっかり持ちアクティブな生活を送っている人がイメージ、ということで、行動的な美人ママ代表として発表会には瀬戸朝香さんと内田恭子さんがお見えでした。

最近、アウディさんは発表会に「こんな人に乗ってほしい」例を挙げてその「こんな人」本人を連れてきてくださいます。とっても分かりやすいです。

けど、大体その「こんな人」は自分とかけ離れてることが多く、今回の例なんかとくに「美人ママ」とは大きくかけ離れた自分が乗ってもいいのかしらん? とやや不安になりながらの試乗です。ま、美人ママは嫌いじゃないですけどね。

A1スポーツバックはボディカラーが豊富なのに加え、ルーフの色やルーフに繋がるボンネットからリヤゲートまでのサイド部分(ルーフアーチ)の配色もさまざまに組み合わされます。その組み合わせは無限大、、、ということはないですが、ほとんどの組み合わせを選択でき、基本9色にルーフやインテリアをとてもたくさん組み合わせ可能です。

インテリアのなかでもクールなのは「ワサビグリーン」色が配されたものだそうです。日本食がブームなせいでしょうかね。でも、試乗車はなかなかシックな「ガーネットレッド」が配された仕様です。オシャレだけどハデ過ぎず、飽きが来ない感じがします。

エアコンの吹き出し口はジェットエンジンをモチーフにしたとのことですが、中央のダイヤルで開閉ができ、実用的でその作りはシッカリしたもの。その周りのリングもカラーリングを組み合わせて楽しめることもあわせて、こういった細かな作り、特にいつも人間の手に触れたり目に入ってくる部分が質感の高さを感じさせるポイントなんでしょう。

さて、乗り込むとコンパクトなサイズから勝手に想像するシートの感触といい意味で違ってるのに気付きます。肌触り、シッカリ感ともにワンランク上を感じさせます。

 リヤシートは広くはありませんが、我慢できないほどではありません。ただ、大きな大人が長距離移動するのはちょっと窮屈に感じるかも知れません。でも、その分ラゲッジルームはコンパクトカーとしてはかなり大きなスペースを確保しています。

エンジンスタートボタンを押し、エンジンをかけ走り出します。

7速Sトロニックトランスミッションは、スイスイスイとスムーズにシフトアップしてくれてシフトショックは感じないというか変速もいつやってんだかフツウに運転してたら気付かないんじゃないでしょうか。常に速度や走りにあわせて最適なギヤをマメに選んでくれています。

アクセルを強めに踏むと、一転してギュイーンと加速してくれます。スポーツカーとして驚くほど、というほどはないですが、乗用車としてはなかなかの速さです。ターボに頼っている印象はあまりなく、ダウンサイジングが進化して排気量アップした感覚に近付いているんだろうなと思います。

信号停止などではいわゆるアイドルストップが働きます。国産車に多いブレーキを強めに踏んだり、ステアリングの角度などの条件はわりと少なめで、すぐストップする方向です。軽くブレーキを踏んでいてもすぐにストップします。

ただ、再スタートするときのエンジン振動はちょっと大きめに感じました。

予想では、「エンジンがかかったんだから振動するのは当然。ってゆうかかかったのがわかんなきゃ危ないんじゃない?」という思想なのかと思います。ヨーロッパのメーカーって伝えるべきものは伝える、対して日本のメーカーはなるべく何事もなかったようにする傾向にあるようですよね。

乗り心地は、試乗車がスポーツパッケージが選択されていて、さらにオプションの215/40R17タイヤが装着されていて、低速域ではちょっと路面の凸凹を拾いがちかもしれません。街中中心なら、これらのオプションはナシでも構わないことでしょう。

とか、小難しいことを考えたり、アクセルをやや大げさに踏んでみたりと、短時間の都内での渋滞ばかりの試乗で、メーカーでの燃費表示は12km/L程度を示してました。かつての1.8〜2リッタークラスのパワーユニットと考えると相当にいいですね。恐らく、遠出すると遥かに伸びるでしょうね。

見た目のオシャレさ、ステータスも満たしてくれるだけでなく、毎日乗るクルマとして考えると、とってもいい道具でもあると思います。毎日使うものこそ、自分の動きに素直に反応してくれることによってストレスを感じさせないわけですから。

けっこうホメ過ぎな気がしなくもないですが、クルマとしてかなり気に入ったし、少し余裕があって実用的なクルマを選ぶとすれば、選択肢に必ず入ると思います。けれど、自分が乗るにはオシャレ過ぎ? というわけで、やっぱり私立の幼稚園に毎日送り迎えしている、「美人ママ」にイチバン似合うんだ、と再認識しちゃいました。

(小林和久)

 

この記事の著者

小林和久 近影

小林和久

子供の頃から自動車に興味を持ち、それを作る側になりたくて工学部に進み、某自動車部品メーカへの就職を決めかけていたのに広い視野で車が見られなくなりそうだと思い辞退。他業界へ就職するも、働き出すと出身学部や理系や文系など関係ないと思い、出版社である三栄書房へ。
その後、硬め柔らかめ色々な自動車雑誌を(たらい回しに?)経たおかげで、広く(浅く?)車の知識が身に付くことに。2010年12月のクリッカー「創刊」より編集長を務めた。大きい、小さい、速い、遅いなど極端な車がホントは好き。
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