先日、日産・フーガを「プラウディア」、シーマを「ディグニティ」という名前でOEM供給を受けることを三菱自動車が発表しましたが、もはやOEM供給は珍しくなくなってきましたよね。日産自動車の軽自動車は全車OEM車ですし、日ごろ道路を走っていても最低でも1台はすれ違っていると思います。
そんな中で、ちょっと忘れられ気味なOEM車をいくつかご紹介したいと思います。
まず最初に紹介するのは「ホンダ・クロスロード」。
え?それOEMじゃないだろうって?いやいや、皆さんが思い浮かべているクロスロードってコレじゃないですか?
実はこれ、2代目クロスロードでして、初代はOEM車だったんですよ。それがコレ!
はい、ランドローバー・ディスカバリーをOEM供給され販売していたんです。
導入された1993年の時点でホンダは本格的なSUV車をラインナップしておらず、当時合弁関係にあったローバーグループ(当時)から供給を受けたのでした。
他にもホンダは同時期にいすゞ自動車から「ミュー(ホンダ名:ジャズ)」やなどもOEM販売していましたね。ちなみに「ジャズ」という名前、今は全くタイプの違う「フィット」の海外名として受け継がれています。
続いてはこちら「スバル・ビッグホーン」です。
お分かりの通り「いすゞ・ビッグホーン」のOEM車となりますが、なんと車名もそのままで販売されていたのです。ちなみにホンダでも2代目のビッグホーンをOEM販売していましたが、こちらは「ホンダ・ホライゾン」という名前でした。
やはり当時のスバルも本格SUVがラインナップになかったための導入と言われていますが、導入グレードは初代の「イルムシャー」、2代目は「ハンドリングbyロータス」と豪華なラインナップ。
しかしあまり売れ行きは芳しくなかったようで、いすゞとのOEM契約が満了となった1993年にヒッソリとカタログ落ちしてしまいました。
スバルは他にも3列シートミニバンの「オペル・ザフィーラ」を「トラヴィック」としてOEM販売していたこともありましたね。
こうやって見てみると各自動車メーカーのラインナップの薄いところをOEMで補うという考えのようですが、主力車種やフラッグシップモデルまでがOEMだらけになってしまうとなると、ちょっと複雑な気持ちになってしまいますね……。
(小鮒 康一)