最近発表された欧州車のインテリアで目を引くのが、従来インパネ前面に収まっていたモニターをインパネ外へ出した、いわゆる「オンダッシュ・モニター」に移行している点。
例えばBMWの新型3シリーズやアウディA6しかり、直近ではVW uP !やジュネーブショーに出展された新型Aクラスなどが挙げられます。
日本車ではまだまだインダッシュタイプが多いようですが、その理由はインパネ上に載せると運転視界の妨げになるから……との概念が強いからと思われます。
では欧州車は何を目的に、どのようにして視界の問題をクリアしているのでしょうか?それは実車に乗って眺めて見れば直ぐに判るのですが……
まず目的ですが、2つあるようです。
一つは運転中の視線移動を極力減らす為。視線をほんの数秒、前方からインパネ内のモニターへ移動させた瞬間にもクルマはどんどん前方へ進んでおり、脇見運転となって衝突事故に至るケースが多いと言います。
もう一つの目的はインパネの上面の高さを下げて前方視界を確保するため。
近年、モニターの画面サイズは新型GSの如く視認性向上を目的に大型化の一途で、インパネ内配置ではモニターの放熱対策上、一定のスペースを確保する必要が有る為、どうしてもインパネの上下幅が厚くなり、車室内の圧迫感にも繋がリ易いのです。
そこでスペースを食うモニターをインパネ外へ出してしまえばスリムなインパネが構成可能となり、しかもそれが前方視界の改善にも繋がるという訳です。
それを可能にしたのは近年の液晶モニターの軽量・薄型化。しかもレイアウト的にはモニターをインパネ上に単純にポンと置くのではなく、画像のようにモニターを高さ方向でインパネ前面にラップ(被せる)させたり、モニター取付け台座部を掘り込んで低くすることでモニター最上部の突出量を低減させているのです。
このようなモニターの外付け自体は何も目新しい訳でもなく、従来よりモニター非装着車にユーザーが後付けする手法となんら変わり有りません。あえて違いと言えば、配線類が綺麗に収めてあることぐらいでしょうか。むしろ日本車が先に採用してもよかったのでは?と思う程。
個人的にはipad風でスッキリしていてアリかな・・・と思う次第。今後も欧州車は車格に関係なくモニターのオンダッシュ化が加速しそうな雰囲気ですが、NAVI先進国である日本のカーメーカーの対応が注目されます。