おめでたい日に活躍する特殊自動車とは?

世の中には、ホントに数多くの特殊なクルマが存在します。特に一つの用途にしか使われないクルマも多くあります。

上の写真のY31型セドリックセダン、一見するとハイヤーか覆面パトカーにしか見えませんが、屋根がハイルーフになってるのがお分かりになりますか?

実はこのクルマ、セドリック・ブライダルセダンという花嫁の送迎用に使われる車両で、ハイルーフとすることで花嫁の文金高島田等の和装の角隠しに配慮したクルマです。

さらに、ルーフが高いだけでなく開閉する所が最大のポイントで、乗降の際にルーフドアと呼ばれる部分を開け、乗降を容易にしたものです。

写真はセドリック ブライダルセダンで、上がハイルーフのBタイプ、下が標準ルーフのAタイプ。どちらも残念ながら生産は終了しています。

ブライダルセダンはトヨタクラウンセダンベースの物、日産セドリックベースの物のほか、過去にはデボネアベースの物もあったそうです。

セドリックの場合、オーテックジャパンの制作するブライダルセダンは87年式、99年式、2002年式しか存在せず、一回の生産が300台で、合計で1000台未満と、かなり生産台数の少ないクルマという事になります。

現在ではトヨタテクノクラフトから、クラウンセダンベースのブライダルカーが販売されていますが、同様に、ルーフが開く構造になっています。
また、同様のルーフ構造を持ちながらシートが回転する福祉仕様のクルマも存在するそうです。

和装が少なくなって来たため需要が少なくなってきているようですが、まだまだタクシー会社などでは名古屋地区を中心に利用する方が多いそうです。

特別な日を和装で迎える花嫁の方は是非利用してみては?

(井元 貴幸)