2012年3月16日、クルマ好きの注目の的であるトヨタ86/スバルBRZの生産開始式が富士重工業群馬製作所本工場で行われました。
生産が追い付かないくらいの予想外の受注に工場はフル稼働。
モリゾー社長も訪れた群馬製作所本工場は、以前にもコチラで紹介されましたが、スバルの軽自動車を生産していた工場。工藤氏の記事によれば、一時期は軽自動車の生産と平行しながらアルシオーネSVXを生産していたこともあったようです。
また、富士重工の本工場は遡れば富士重工のルーツとなる中島飛行機の工場だった場所。社屋は近代化遺産としても有名で昭和9年に建てられたもので、真上から見ると飛行機の主翼、別棟が尾翼に見えるような形となっています。
敷地内のマンホールには中島飛行機時代の社章が残っているものがあるのもマニアの間では有名な話。工場建屋も飛行機製造時代の名残りか航空機がそのまま入る大型扉を持つ建物があったり、戦前からの歴史的価値のある建物が今でも存在しているといいます。
また本工場正門の向かい側には、これまたマニアの間では有名なスバル最中やサブロク焼きと言ったスバルにちなんだお菓子を製造、販売する伊勢屋もあり、モリゾー社長の手土産はスバル最中か?と勘繰ってみたりします。
ところで、スバルの看板車種であるレガシィやインプレッサは太田市庄屋町にある矢島工場で生産されています。
しかし以前よりラインが不足していたため、サンバーの生産終了を機にBRZ,86だけでなくインプレッサの生産も本工場へ移管するそうです。
今回の生産ラインの変更には百数十億円とも言われる投資が行われ、万が一BRZ,86の売れ行きが落ち込んだとしても、レガシィやフォレスター等も生産できるように改良されました。
当面は本工場でBRZ・86、インプレッサの生産が、矢島工場でレガシィ、フォレスター、エクシーガの生産が行われるそうです。
昭和初期に戦闘機、隼を生み出した工場が66年の時を超え、中島飛行機のDNAを持つ水平対向エンジンを搭載したクルマが同じ場所から生産されることに感慨深いものがあります。
(井元 貴幸)
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