トヨタのルマンカーTS030はハイブリッドでAWD!

トヨタが今年世界耐久選手権(以下WEC)に挑むマシンTS030の心臓は3.4LのV8ガソリンエンジン(3.4L)+ハイブリッドシステムですが、その説明に気になる記述が…

HVモーターでピットアウト!

主要諸元
名称TS030ハイブリッド(TS030 HYBRID)
タイプル・マン・プロトタイプ (LMP1)
ボディーワークカーボンファイバーコンポジット
フロントガラスポリカーボネート
(中略)
燃料タンク容量73リッター
パワートレインTOYOTA HYBRID System – Racing (THS-R)
エンジン90° V8 自然吸気エンジン
燃料ガソリン
エンジン排気量3400cc
バルブ数4
エア・リストリクター1 x 43.3mm
キャパシタ日清紡ホールディングス
前輪ハイブリッド・モーターアイシン・エィ・ダブリュ
後輪ハイブリッド・モーターデンソー ・・・(しかも、前後輪でメーカが違う!)

…前後輪にモーターが搭載されていると云う事は、瞬間的に4輪駆動にも出来ると云う事です。(勿論ごく短い時間でしょうが) これはコーナー脱出のトラクションを稼ぐ際に圧倒的に有利です。(因みに現在のレギュレーションでは、ブレーキングゾーンの間で駆動アシストに使えるエネルギーを500kJまでに制限すると共に、エネルギーの回生(チャージ)は2輪のみからと限定しています)
実はトヨタは2007年の十勝24時間レースでスーパーGT仕様のスープラをベースとしたHV車を投入し、優勝したり、ニュルブルクリンク24時間にレクサスRX(ハリアー)のHV車で参加・完走を果たしたりと、信頼性の確認/実績も重ねています。

夏の風物詩、十勝24時間レース。先頭からHVスープラスタート!

ドライバーは元F1ドライバーのアレキサンダー・ブルツと中嶋一貴、ル・マンとプロトタイプカーの経験豊富な若手ニコラス・ラピエール。他にも、昨年Fニッポンに参戦した若干21歳のアンドレア・カルダレッリ、FニッポンとスーパーGTを戦うGT石浦宏明(既にTS030のシェイクダウンを担当!)も有力な候補となっている様です。ディーゼル有利の今のレギュレーションの中で、ハイブリッドの高燃費とコーナーの脱出加速を武器に戦うTOYOTA TS030。TS010から続くこの名前のマシン今年のル・マンは見逃せません!

TOYOTA Racingは、第2戦ル・マン24時間(6月16・17日)では、2台のTS030 HYBRIDを出場させる予定。
なお、このほかのレースへの出場は今のところ未定との事です。日本でもレースで走る雄姿が見たいですねぇ。

(川崎BASE)