【SR400】since 1978 超長寿モデルは2012年も進化中

四輪の場合は、衝突安全基準や排ガス基準などの関係から長寿モデルにも限界があるものですが、二輪のなかにはエンジンの環境性能をアップデートすることで、最新のレギュレーションに対応。何十年にわたって販売されているものがあります。

 たとえば、1月30日から販売される2012年モデルのヤマハ「SR400」。空冷単気筒エンジンはインジェクション化されていますが、その雰囲気は1978年の販売開始時から大きくかわっていないのでは?

 新色の「ニューパールホワイト」とブラウン2トーンのシートでレトロモダン・テイストというのがメーカーの謳い文句ですが、カラーリングで工夫しなくとも、十分にレトロでありましょう。

 それにしても1978年デビューといえば、いまから34年前。その間、スタイルが大きく変わっていないというのは衝撃的です。

 同じ1978年生まれの四輪車といえば、たとえばこちら。

マツダの初代サバンナRX-7(SA22C型)が、1978年生まれ。

 つまりSR400の2012年モデルというのは、四輪でいえば初代RX-7を、その環境性能などを現代的にリファインしながら販売しつづけているようなもの。それはそれで見てみたいというロータリーファンもいるでしょうが、とにかくそう考えるとSR400の長寿モデルぶりに驚きませんか。

 またモデルライフの長いイメージのある海外メーカーでも、さすがに30年超となると何度もフルモデルチェンジをしているもの。

今年、6代目の登場したBMW 3シリーズ。その初代は1975年に生まれていますから、まさにSR400は3シリーズが5度のフルモデルチェンジする間を、マイナーチェンジ的な進化で成長してきたわけです。

 もっともSR400においても21世紀になって、一次生産休止になっていますから、連続性という面では空白期間もあるのですが……。

 なお、2012年モデルのSR400、税込価格は57万7500円。国内販売計画は500台/年だそうです。

 

 

 

 

 

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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