がんばっぺ! 大きなKカーを生み出した”いわき魂”【東京オートサロン2012】

軽自動車「アルト・ラパン」ワイドボディがあるぞ! と、近づいてみれば……。

 

あら、ワイドボディの軽自動車ではなく、大きな普通車をラパン風味に仕上げた一台。

こちら「Carapin(キャラパン)」と名付けられたカスタマイズカーは、カーエキスパートの作品。

 

日産キャラバン(E25系)にスズキ・ラパンのヘッドライトに純正グリルやバンパーを移植することで、ゴツイ1BOXをファニーにするというのがテーマ。それが大成功しているからこそ、遠目にはラパン色が強く感じたのでしょう、はい。

 

ラパンのパーツを移植するといってもキャラバンのほうがボディ幅は広いので、たとえばグリルはラパン二台分を使っているそう。またバンパーはキャラバンベースにラパンの純正を切った貼ったした一品物。なんと、このクルマにはFRPパーツは一切使用せず、ボディも鈑金によって仕上げられているとのこと。まさにイジり手の技術が詰め込まれているというわけ。

 

さらにドアミラーはラパン純正で、テールレンズやリアバンパーもラパン風味で隙なしの仕上がりという印象。

 

そして、なによりも驚くのは、このキャラパンを出展したカーエキスパートは、福島県いわき市のショップだという事実です。

 

お店も震災の被害を受けて何もない状態に近かったそうですが、震災前から製作が始まっていたうキャラパンは被害を免れたことで、東京オートサロンに出すことができたといいます。

 

奇跡の一本松ならぬ、奇跡のキャラパン。

 

東京オートサロン、幕張メッセにおいて「がんばっぺ! いわき」の元気さをアピールする印象的な一台でありました。

 

(山本晋也)

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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