常識破り! ブリヂストンがカラフルなタイヤを世界初披露【東京オートサロン2012】

そう言われてみれば、タイヤの色はなんで黒ばかりなんでしょうかね?

かつては「ホワイトリボンタイヤ」という部分的に白いゴムを使用した製品もあり、自転車用タイヤでは赤やブルー、グリーン、ピンクなどを目にしたこともあります。ですけど、現代の自動車用タイヤは「黒」ばかりですよね(数年前に某欧州タイヤメーカーがトレッド面の一部にカラーゴムを採用したことがありましたが……)。

1910年型のT型フォードに装着されていたタイヤは、なんと白かったそうです。

現代のタイヤのゴムにはカーボンブラックが配合されていて、それがゴムの成分と結合することで強いタイヤが生まれるのだそうです。しかし、このカーボンブラックが“黒いタイヤ”の基になっています。発熱や経年劣化、紫外線や雨水などの湿気に強くなければ安全な走りが実現できませんから、カーボンブラックは必須。だけど“黒くないタイヤ”を作りたい……なんか、ややっこしいですね。自転車用タイヤとは求められている性能が格段に違うことも、カラータイヤの製品化が難しい要因、とのことです。

そんな既成概念を打ち破る商品の開発をブリヂストンが進めていて、1月13日(金)、オートサロン会場で初公開されました。

それが、こちらなんです。

どうですか? キレイですよね。ブリヂストンは社内の極秘プロジェクトチーム『Pandora』を結成。当初はゴムそのものを着色する方法も考えたそうですが、なんとこちらの製品は、タイヤのサイドウォールを“印刷する”という手法を考案したものなのです!! これはオドロキです。(写真は、右から株式会社ブリヂストン執行役員 生産技術基礎開発担当 川合誠一郎さん、タレントの平愛梨さん、ピストン西沢さんです)。

黒いタイヤに印刷する技術については、まだいくつかの課題はあるようですが、同社では一定の開発を終えたことで、近い将来の市販化を目指して発表に踏み切りました。

ブリヂストンでは、タイヤ印刷技術を使い、(1)ユーザーが写した写真を印刷、(2)キズを判別するための印刷、(3)光を反射する安全性を高める印刷、(4)企業広告などを印刷など、いくつかの製品化プランを描いています。また、デザインに飽きたら塗り替えられるような技術の実現も目指していくそうです。

ただし、フルカラー印刷とはいえプリンタで再現できる色(発表会では3原色との説明がありました)に限定されるため、金や銀などの特色や蛍光カラーなどには対応できないそうです。とはいえ、商品化されてさらなる技術革新が進めば、金色のタイヤ……なんていうミラクルな製品展開も可能なのかも知れません。これは楽しみですね。

(南風よしお clicccar編集部)