軽自動車で競うスズキとダイハツ、次の激突はこのジャンルか?【東京モーターショー】

モーターショーのコンセプトカーには、じつは裏で打ち合わせをしていたのではないかと思うような、なぜか似たコンセプトやジャンルへの提案があったりします。

 

同じようなことを考えるメーカーが複数あるということは、そのジャンルはマーケティング的に近い将来にあり得るのかもしれない、なんてことを思うわけですが、今回の第42回東京モーターショーでいえば『アンダー軽自動車サイズのタンデム2シーター』が、そうした近未来に現実化しそうな新ジャンル。

 

その、どこか似たコンセプトカーを出してきたのはダイハツとスズキ。

 

 

DAIHATSU PICO

●主要諸元  全長×全幅×全高:2400×1000×1300mm 乗車定員:2名 後輪モーター駆動

 

 

 

SUZUKI Q-CONCEPT

●主要諸元  全長×全幅×全高:2500×1300×1650mm 乗車定員:2名 後輪モーター駆動

 

 

どちらもタンデム(縦方向)の2シーターで、モーターでリアを駆動するという共通点あり。もっともボディサイズはスズキ Qコンセプトのほうがひと回り大きい印象で、現状ではそのままガチンコのライバルというわけではありません。ただ、軽自動車というマーケットにおける様々なニーズに精通した両社が、こうしたタンデム2シーターの近距離コミューターを考えているというのは偶然ではないでしょうし、そこにニーズがあるという情報を持っているのだろうと想像できるわけです。

 

同様にタンデム2シーターの電動コミューターでいうと、すでにルノー日産による実証実験が世界中で始まっていることもあり現実的なこのジャンルですが、なにより軽自動車の二大メーカーがコンセプトカーを展示していることで、ますますリアリティを増してきます。

そういえば、軽自動車に本腰を入れると宣言したホンダも、タンデム2シーターではないものの全長2.5m 全幅1.25mの電動コミューター「マイクロコミューターコンセプト」を出展しています。

 

こうしたアンダー軽サイズ、全長2.5m 全幅1m程度という新カテゴリー、近距離専用EVとしてしっかりとした規格が生まれれば、一気に街の景色を変えそうな魅力あり、と思いませんか。

 

(山本晋也)

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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