床下に走行機能を集約した超広々Kカーの未来像【東京モーターショー】

まるで豆腐のタイヤをつけたかのような白くて四角いクルマ。一部にはクルマの白物家電化を象徴するなんて声もありますが、たしかにこのコンセプトカーは最新の電動マシン。

 

今回の東京モーターショーのみならず、おそらく世界で一台の「水加ヒドラジンを使った燃料電池車」なのであります。

 

そう、このコンセプトカーこそ、ダイハツ「FC商CASE」です。

 

一般に燃料電池車というと水素を燃料に使うというものが多いわけですが、この水加ヒドラジン(N2H4・H2O)は常温で液体として扱えるのがメリット。そのため既存のガソリンスタンドのような設備で充填できるといいます。化学式を見ればわかるように窒素と水素からなっているものですから製造もしやすく、当然ながら走行中の二酸化炭素の排出はゼロ。

 

水加ヒドラジンを燃料とした35kW級の燃料電池やモーターなどを床下に配置、操作系も格納できるということで、本当にフラットでスクエアなキャビン空間を実現したミライの軽商用車。側面が上下に開くボディ構造などは燃料電池車でなくともイベント用などの特装車として期待したくなる雰囲気もある一台です。

 

主要諸元

全長:3395mm
全幅:1475mm
全高:1900mm
ホイールベース:2450mm
タイヤサイズ:165/55-15
定員:4名

 

イメージムービーはこちらでどうぞ。

 

 

(山本晋也)

 

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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