スバルBRZ、GT300の戦力として有利なのはココだ!【JAF-GP 富士スプリントカップ】

JAF-GPでいきなり2012年のGT300参戦計画を発表したスバルBRZ。
スバルBRZにどのようなメリットを見出して参戦しようというのでしょうか?

スバルのGT300における最大の特徴はエンジンのコンパクトさです。

これがLEGACY B4に搭載されているエンジンですが、前後と上下にとんでもなく小さい。

R&D SPORTS LEGACY B4を見てみると、本当にフロントエンジンなのか、というくらいにノーズが低いのがお分かりいただけるかと思います。これはものすごく重心が低いことの証です。

例えば、同じ4ドアベースのAPRカローラアクシオよりもフロントノーズが低い。APRカローラアクシオはミッドシップエンジンに形式変更されているのですが、LEGACYのほうがフロントが低いのです。

FRといえば、今年のGT300チャンピオンマシンである初音ミク グッドスマイル BMWがありますが、こちらのフロントは明らかにLEGACYよりも高い。

BRZはトヨタFT86の姉妹車ですが、この2車のレイアウトスケルトンモデルはすでにあちこちのショーで公開されています。それ見てもわかるとおり、マスをトレッド内に集中させ、なおかつ思いっきり重心が低い。現行のLEGACY B4ですら重心が低いのに、BRZのレイアウトを活かしてもっとフロントノーズの低いマシンを作るとすれば、低重心をかなりアピールできることになります。つまりコーナーリングに強いマシンということです。

現在、スーパーGTでは大排気量のNAエンジンがほとんど。500クラスと300クラスの両方をあわせても小排気量ターボはスバルだけなのです。モータースポーツにおけるエミッションを考えると小型軽量コンパクトはかなり訴求力もありそうです。

実際に現行のLEGACY B4は今年のスーパーGTでランキング4位。鈴鹿とオートポリスで2勝を上げ、優勝回数では初音ミクBMWの次。コースによって得手不得手があるものの、実力はかなりのものです。特にテクニカルなコースに強いという特徴があります。空力的に有利なクーペボディーでストレートスピードがもっと伸びれば、富士でも強いマシンになるかもしれません。

話題性も性能も全て考えて勝算あり、とSTIが考えてもなんら不思議は無いでしょう。
来シーズン、いや東京オートサロンでの発表が楽しみです。

 

(北森涼介)

この記事の著者

松永 和浩 近影

松永 和浩

1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。
3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。
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