BMW Z4はオープン2シーターとして初めてエコカー減税なんです

BMWの今後を占うといっても過言ではない肝いりの2.0リッター直列4気筒BMWツインパワー・ターボ・エンジンが新たにZ4にも搭載されて、発売開始されました。

 

最高出力135kW(184ps)/5,000rpmおよび最大トルク270Nm/1,250-4,500rpmというスペックを誇る、この次世代エンジンの構成要素をみれば、その贅沢さに驚くこと間違いなし。

 

排気干渉を抑えたツインスクロールターボ、高精度の燃料制御を可能にした直噴システム、吸排気のバルブタイミングをコントロールする『ダブルVANOS(バノス)』、スロットルバルブなしで吸気量の制御を行なう無段階連続可変吸気バルブリフト機構『バルブトロニック』といったメカニズムにより、パワーと燃費にクリーンな排ガスといった現在のクルマに要求される様々な要素を高次元で満たしたパワーユニットが実現されているわけ。

 

さらに、このクラスとしては贅沢とも思える8速ATを組み合わせることで運動性能と燃費性能を高次元で両立したというのも見逃せないセールスポイントですが、もはやBMWでは8速ATというのは全クラスにおいて常識的なメカニズムとなっているといえましょう。

 

 

そして、驚くなかれ、この新しい2.0リッター直列4気筒BMWツインパワー・ターボ・エンジンを積んだZ4は2シーターオープンとしては、日本で初めてエコカー減税対象車となったというのです。コペンも、ロードスターも、フェアレディZという日本車が達成できなかったエコカー減税対象車に、この新エンジンを搭載したZ4はなったというのです!

 

ただし注意したいのは、新しいエンジンを積むZ4のうち、エコカー減税対象となっているのは装備を充実させたBMW Z4 sDrive20i Cruising Edition(エス・ドライブ・ニー・マル・アイ クルージング・エディション)に限った話。標準車も、クルージング・エディションも燃費性能は10・15モード:12.8km/L、JC08モード:13.4km/Lと共通ですが、後者だけがエコカー減税対象になったのは車重がポイント。

 

エコカー減税は重量区分によってターゲットとなる10・15モード燃費基準が異なりますが、このZ4に関わる区分でいうと1266~1515kgまでは13.0km/Lで、1516~1765kgは10.5km/Lとなります。

 

そして標準車の車重は1500kgなのに対して、クルージング・エディションは1520kg。追加装備によって20kgほど重量を増やすことで、区分をワンランク上がり、エコカー減税対象になったというわけ。まさに日本のレギュレーションにあわせたスペシャルモデルといえそうです。

 

 

 

メーカー希望小売価格(消費税込み)

モデル

エンジン

トランスミッション

希望小売価格

BMW Z4 sDrive20i

2.0リッター直列4気筒DOHC

BMWツインパワー・ターボ・エンジン

8速

スポーツAT

¥ 4,990,000

BMW Z4 sDrive20i

Cruising Edition

¥ 5,190,000

 

 

価格表を見ればわかるように、標準車とクルージング・エディションの価格差は20万円。しかしエコカー減税によって取得税と重量税が半減するクルージング・エディションの減税額は約14万円。装備の違いも考慮すれば、圧倒的にお得なように思えます。

 

ただし長く乗ると仮定すれば、クルージング・エディションのほうが重量税のランクが上がっていますから車検ごとの納税額が増えるわけです。損得勘定をする際には、そのあたりの計算もお忘れなく。

 

(山本晋也)

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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