シボレーが開発中のEVは航続距離の長さと静かさが自慢?!

 

 

GMからシボレーのコンパクトカー「スパーク」にピュアEVグレードを追加、2013年よりカリフォルニアで販売開始する、との発表がありました。

 

とにかくEVの静かさをアピールしたいようで、同時に公開された雨中の走行映像ではドアを閉める音、走行ノイズ、風の音以外は聞こえないといった内容に仕上げられています。

 

 

カットモデルのイラストが公開されている程度でメカニズムについての詳細は不明ながら、このイラストを見るかぎりは後席下スペースにリチウムイオンバッテリーが搭載され、フロントタイヤをモーター駆動するというレイアウトは確認できます。なおバッテリーサプライヤーは、北米ではおなじみのA123社とのこと。

気になる航続距離は未公表ではありますが、発表されているインテリアのイメージイラストを信じるなら、そこにはオドメーターが300マイル(約480km)以上、平均電費が18マイル/kWhと表示されていますから、かなりの航続可能距離を目指しているということが見受けられます。

 

仮に、このスパークEVのバッテリー総電力量を、i-MiEVと同じ16kWhだとして、上記の電費で単純計算したときの満充電からの航続可能距離は460km程度となるわけですから(i-MiEVのモード走行では180km)。スパークEVの目指している電費がずば抜けていることが理解できます。

 

さて、このスパークEV、2013年からカリフォルニアで販売するというのはZEV(ゼロ・エミッション車)規制を前提に開発されたはずですが、それだけを目的としているわけではないようです。

このシボレーのコンパクトカー用EVシステムはグローバル展開を考えているようで、以前紹介したインドで売っているハッチバックモデル「ビート」にもEVバージョンが登場する予定とか。また韓国ではクルーズEVの販売が計画されているとか。

 

インド仕様ということは右ハンドルというわけで、そのまま日本市場に導入される可能性を期待したいところ。また最近の流れからすると韓国から日本仕様を仕立てて市場投入する可能性も考えられます。

 

何れにしても、日本のEV市場に海外メーカーからの刺激があることを期待しましょう。

 

(山本晋也)

この記事の著者

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山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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