前回の続きです。現在大盛況のヴィッツレース。関東シリーズ第3戦も決勝出走台数は45台ながら、参加台数は65台(多いときは70台を超える!)と、予選落ちが出るほど人気のカテゴリーになっています。
そこで人気の秘訣を石渡さんに聞いてみると「誰でもレーサーになれるのが人気の理由でしょう。まずナンバー付きのワンメイクレースですから低コストですよね。そして最高速度が低くてコストパフォーマンスが高い。それにネッツトヨタがバックアップしていますから始めやすい、入りやすいというのもあると思います。年齢も幅広く、20代から50代まで。幅広い年齢の方が自分なりの楽しみ方で参戦でき、時代合っているのだと思います。実際に日本で最多参戦台数を誇るワンメイクレースになっています」。
多彩な章典も人気の秘訣だろう。例えば決勝レースで1番順位を上げたドライバーに送られるコーセイ賞、予選順位が中間のドライバーにはグッドイヤー賞、参加にあたり素敵な意気込み? を語ってくれたドライバーに与えられるネッツ・ザ・クリエイティブ賞など、通常のシリーズ賞金以外にもさまざまな賞が用意されており、勝負だけではなくレースを楽しむこともサポートされている。
そんなヴィッツレースだが、やはり上位に行くには様々な闘いがあるようです。
「ワンメイクレースですからクルマの性能の差はありませんが、セッティング能力は問われると思います。例えばタイヤの内圧ですとかブレーキ、エンジンオイルなどですが、どのようなセッティングにして何を使うのか? これが大切になります。わたしは、エンジンオイルは0W-20のいわゆるシャバシャバの抵抗の少ないオイルを使っていますし、回転の上がりを良くするために、オイルゲージの一番下の部分までしか入れていません」。
ワンメイクレースといっても、できることは最大限使うわけです。逆にワンメイクな分だけ、細かいノウハウがものを言うのでしょう。
「ネッツ群馬はノウハウが豊富なので助かっています。例えば富士スピードウェイの本コースを8周するわけですが、この8周だって相当な負担がかかります。長いストレートの途中でエンジン回転数はリミッターに当たっているのですが、いかに早くリミッターに達するかが大切です。加えて良くないオイルですとレースの終盤には回転の上がりは良いもののトルク感がなくなってしまいます。ですが現在のオイルはレース終盤でも力を発揮できますし、デフの効きもオイルのおかげか終盤までしっかりとトラクションがかかります。こうした細かいところで差がでると感じています」。
アマチュアとはいえそこはレース。攻めたセッティングが勝負を握っているようです。
「いえ、オイルの一番は保護です。エンジンを壊さないことが第一です。真夏のレースでは油温が125度にも達しますが、その中でまずエンジンを守って、それからレース終盤まで安定したパフォーマンスを発揮することが大切になります。ディーラーの看板車両がレース中にエンジンブローなんて起こしてはシャレになりませんから、壊れない壊さないことが大切なのです」。
ワンメイクだけに、オイルなどのできる範囲最大限に活用して戦うところはやはりレース。最高峰といわれるカテゴリーでも、アマチュアドライバーが参戦するワンメイクレースでも、各々がしのぎを削る闘いがそこにはあります。
いやぁ、やっぱりレースっていいですね!
ちなみにデパマン石渡さんのランキングは現在8位で残るレースは10月2日の後1戦。
サラリーマン・レーサーの走りに注目だ!
で、石渡さんには応援団がついています。
石渡さんの同僚という小澤恵里香さん(左)と笹岡葉子さん(右)。石渡さんの印象は仕事でもレースでも熱い男で、いつも一所懸命で、いつも話を聞いてくれて一緒に悩んでくれるという。クルマには興味がないそうだが(トホホ)、レースでがんばる石渡さんの姿はカッコイイ! から応援したいと教えてくれた。
せっかくなので、レースクイーンのように傘を持っていただきました。
ちなみに小澤さんのお勧めはフォションの紅茶、笹岡さんのお勧めは老舗の名品や特産品を集めた銘菓百選だそうです。
さらに、以前はお揃いのTシャツ、手作りの横断幕で応援もしているそうです。
(佐藤みきお)