かつて駅だったところは泥で埋まり、電車は原形をとどめていません【東北関東大震災ルポ】

東部自動車道から相馬方面に6号線を南下している途中、見渡す限り泥んことがれきの荒野の中にぐしゃぐしゃになった電車の残骸を目にしました。その横にはかろうじて跨線橋が建っています。

がれきの間の泥んこ道をなんとかフィットですり抜けてこの常磐線の「新地駅」の近くまで行ってみました。かつて駅舎のあったであろう場所にはホームの痕跡すらありません。常磐線の線路はねじ曲がったまま横たわっています。

駅に近づくのを阻もうとするようにぐにゃりと曲がった鉄骨の塊が道をふさいでいます。元は何だったかもわかりません。

そばには×のしるしの付いた黒い軽自動車が放置されていました。運転席を覗くとシフトには大きな水中花が付いていました。クルマ好きなオーナーだったのでしょうか。

無念さを感じながらもう少し海沿いを南下してみます。このまま進むと福島第一原子力発電所に通じるはずです。行けるところまで近づいてみます。

 (テングダンディ)