【FT86考2】やはりFT-HSとの関連性を確認。ところが2000GTの面影もありませんか!?

FT86II Concept, 2011, ジュネーブショー

FT86 Concept, 2009, 東京ショー

 

FT86IIコンセプトは、2011年のジュネーブショーで出品されたものですが、基本的にはFT86コンセプトと似ています。それは基本的なパッケージがそのままだからでしょう。しかし、いろいろ見ていくとまったく違うといっていいほどの違うクルマになっています。

そんなんかかで、やっぱりそうだったのか! と思わせたのがリアビューです。バンパーの中央付近の突出するカタチは、ルーフからリヤウィンドゥ&Cピラーから流れる面の延長とみることができます。左右のリフェンダーは、タイヤを覆い、リアセクションを囲むような造形になっています。FT-HSの最小限のボディパッケージをカバーするフェンダーのイメージが表現されているのです。

FT86II Concept, 2011, ジュネーブショー

FT86 Concept, 2009, 東京ショー

FT-HS Concept, 2007, デトロイトショー

そうして見ると、FT-HSのコンセプトだったライトウェイトに見えること、という点ではFT86IIコンセプトはかなりマッチョな印象にはなりましたが、FT86コンセプトより明らかにライトウェイトを感じさせるカタチに仕上がったようです。

またフロントセクションは、水平対向エンジンの低さをデザインに表現した左右のフェンダーの盛り上がりをさらに強調するカタチとなっています。加えてAピラーはヒドゥンピラーをやめています。併せて、Aピラー内の小さなウィンドウもやめたのですが、Aピラー根本をキャビン側に寄せ、ピラー自体を以前より立たせたています。

FT86II Concept

FT86 Concept

もちろんこれは視界のためにほかならないでしょう。骨格に及ぶ変更は完全な作り直しで、単にデザイン上の見え方だけで変更するとは考えにくいものです。かといって、FT86コンセプトよりAピラーは意識的にかなり起きていますからAピラーに窓を持たなかったとしても、かなり視界は良好だったはず。それをあえて実行したのは、より徹底した走りやすさを追い求めた結果なのでしょう。

そしてもう一度FT86IIコンセプトのリヤの写真を見てください。リアフェンダーに囲われたルーフからリヤウィンドウ、そしてリアエンドにつながるコンパクトな造形が、なんとなくトヨタ2000GTに見えるのは自分だけの錯覚でしょうか?

(MATSUNAGA, Hironobu)