【東京-大阪i-MiEVで航続距離に挑戦】総括!電気自動車の実用度を斬る

というわけで、我々は電気自動車のi-MiEVで1204kmを走破した。

往きは名古屋までが6回の充電で386.1km、大阪までが同じく4回で224.4km。

還りは磐田まで7回で346.1km、箱根経由で東京まで1回の100V充電と4回の急速充電で255.3km走った。

1回の100V充電は急速充電の直後だったので無視するとして、平均して57.3km毎に充電したことになります。

その結果を見ると、まあ、充電一回あたりの距離は60kmくらいを目安にするものかな、というのが実感と一致します。80kmはムリじゃないけどチャレンジングだし、50km以下ではもったいない気がしたのと合致するんです。もちろん、ヒーターを使わない状態でですが。


今回のロングランを通じて感じたことを五つ挙げるとすると、

①意外に長距離も走れるね

長距離走行には向いていないと言われる電気自動車ですが、急速充電設備をもっともっと活用すれば、ある程度の長距離走行にも使えるんじゃないか、と思います。ただし、電気自動車が普及すると、それに伴ったインフラ整備が必要です。

②でも、やっぱり短距離向き

最終日の帰り際、ガソリン車の暖かさがありがたかったのは事実ですが、それって普段はムダな熱として捨てているわけでしょう。ということはガソリンエンジンはかなり空気を暖めながら走らざるを得ないってのを改めて実感しました。朝晩の駅までの送り迎えや近所の買い物などにしか使わないガソリン車って、エンジンを暖めるだけに相当なエネルギーを使って暖まったらエンジンを切っちゃってます。EVはこれがないのが最大のエコかと感じました。

③ヒーターは絶望を生む

ヒーターを入れるととたんに走行可能距離が半減するし、最終日のように雪なんか振っちゃうとどうしようもないことがわかりました。天気予報と防寒アイテムは必須です。雪の日は乗らないようにしましょう。

④走りは楽しめる

踏めばぐぐっとくる加速感はガソリン以上のものがあります。それはそれで気持ちいいです。テスラが発熱でサーキットを一周できなかったというウワサもありますが、楽しめるEVはゼッタイ作れちゃいそうです。

⑤EVはエコでドライブは楽しい!

長距離の移動を少人数で行う自動車は完全にエコじゃないです。これが苦手なEVは、行くのをやめるか新幹線で行くのがいいです。雪の日や寒い日も乗りたくないです。クルマの使用が限られると自然と利用頻度が減ります。つまり、人間がムダな動きをしなくなるってのはエコです。皮肉なことですが・・・。でも、今回のロングランは楽しめました。やっぱりドライブは楽しい!

そんなこんなで、我々が走った距離と充電ポイントを掲載します。

真似する方はご参考に。あくまで自己責任でお願いしますね!

ポイント 区間距離km 小計km 計km
海老名サービスエリア 46.4
東海三菱自動車販売御殿場店 54.9
東海三菱自動車販売中吉田店 75
静岡三菱自動車販売浜松葵店 92.5
上郷サービスエリア 74.6
中部三菱自動車販売熱田店 34.8
名古屋駅前モンブランホテル 7.9 386.1
岐阜三菱自動車販売大垣店 42.1
日産プリンス滋賀販売彦根店 47.8
滋賀三菱自動車販売大津店 70.2
西日本三菱自動車販売新大阪店 56.4 224.4 602.6
アパホテル大阪肥後橋駅前 8.5
西日本三菱自動車販売茨木店 23.1
滋賀三菱自動車販売大津店 40.4
日産プリンス滋賀販売彦根店 70.5
岐阜三菱自動車販売大垣店 39.7
上郷サービスエリア 70.4
静岡三菱自動車販売浜松葵店 67.5
ららぽーと磐田 19.2
ホテルルートイン磐田インター 6.8 346.1
日産プリンス静岡販売中吉田店 72.1
静岡日産自動車販売沼津店 55.8
箱根町役場 36.1
海老名サービスエリア 39.7
東京 51.6 255.3 601.4
トータル 1204

 

(小林和久)

この記事の著者

小林和久 近影

小林和久

子供の頃から自動車に興味を持ち、それを作る側になりたくて工学部に進み、某自動車部品メーカへの就職を決めかけていたのに広い視野で車が見られなくなりそうだと思い辞退。他業界へ就職するも、働き出すと出身学部や理系や文系など関係ないと思い、出版社である三栄書房へ。
その後、硬め柔らかめ色々な自動車雑誌を(たらい回しに?)経たおかげで、広く(浅く?)車の知識が身に付くことに。2010年12月のクリッカー「創刊」より編集長を務めた。大きい、小さい、速い、遅いなど極端な車がホントは好き。
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