ホントですか? ブルガリアでは飲酒運転は銃殺刑!


飲酒運転で検挙されたら銃殺! もしそんな国で暮らしていたらどうしますか? ところが世界にはそういう国もあるようなのです。インターネットで世界の飲酒運転事情を検索していたら、「ブルガリアでは2度目の飲酒運転者は極刑(銃殺刑)」という情報が! いくらなんでもそりゃないだろうと思ったのですが、さらに詳しく検索してみると、あちこちで「ブルガリアでは飲酒運転者は銃殺なんだって」という書き込みが。うーん、やっぱりほんとうなのか。

どうしても真相が知りたくて、在日ブルガリア大使館に問い合わせてみましたら、同大使館のペタル・ニコラエフ文化・広報担当官から文書にてお返事をいただきました。「ブルガリアの『道路交通法』をご参照ください」とのことなので、教えていただいたブルガリア政府公式ホームページの、「道路交通法」の飲酒運転についての項目「Art.171」および「Art.174」をチェックすることに。

http://www.mvr.bg/NR/rdonlyres/8714091D-3F2D-4C6E-9544-90BA1F8D2C9C/0/04_Law_Trafic_EN.pdf

これによると、ブルガリアでは飲酒運転で罰せられるアルコール血中濃度の基準値は05.mg/ml以上。これはドイツ、フランス、イタリア、スペインなど他の欧州諸国と同じ基準です。罰則は、6カ月~2年の免停処分と罰金100~500レフ(レフはブルガリア通貨で1レフ=約70円)とあります。そして、この「道路交通法」のどこを読んでも、「飲酒運転者は二度目からは銃殺刑」なんて書かれていません。ネット情報が、まったくの事実無根であることが判明したのです。なーんだ、いったいどこからそんなガセネタが出てきたんだよっ!!(怒)

ブルガリア大使館からの回答の最後にはこんな一文が。「なお、ブルガリアは死刑完全廃止国です」。死刑を実行している国の人たち(われわれ日本人のことです)から、なぜこのような根も葉もないウワサを流され、誤解されなければならないのかという、ブルガリア人の憤まんと悲しみがこの言葉に含まれているような気がします。いやー、ほんとうに失礼しました。まことに申し訳ありません。ここはわれわれの良心にかけて、「ブルガリアでは飲酒運転は銃殺刑」というふざけたガセネタを削除、もしくは根絶しようではありませんか。
(kusu@napo)