10・15モード燃費が同じ2台。実際の燃費に優れるのは?【トヨタ カムリ/ヴィッツ】

全車ハイブリッドとして生まれ変わったカムリと、マイナーチェンジでアイドリングストップ機構『SMART STOPパッケージ』の設定を拡大したヴィッツ。

 

この2台、サイズもクラスも価格もまったく異なりますが、とある共通点あり。

 それは10・15モード燃費。

どちらも26.5km/Lとなっています。

 なるほど、ハイブリッドの効果はカムリサイズのセダンでコンパクトカー並みの燃費性能を実現するのか……と思ってしまうのは早計。

 より実燃費に近いとされ、今年4月から表示が義務付けられているJC08モードで比べると、さらに驚くことになります。

 ヴィッツのアイドリングストップ付についてはJC08データがマイナー前のそれの参考値ですが、以下のようになるのです。

ヴィッツ(アイドリングストップ付):21.8km/L

カムリハイブリッド:23.4km/L

 誤差というレベルではなく、カムリの圧勝。

JC08で、この差が生まれているということは、実燃費ではよりカムリが優れた燃費性能を発揮するのでしょうか。

 それほど単純なものではなく、それぞれに得手不得手なシーンというのはあるはずです。

10・15モードで同じ数字が出ているということは、ヴィッツがその軽量さを活かしてカムリを燃費でリードする場面があってもおかしくはありません。

 とはいえ、全体としてはヴィッツが燃費で敵わない可能性大。

 その意味では「コンパクトカー並の燃費性能」ではなく「コンパクトカーを超える燃費性能」を持つのがカムリハイブリッドといえるかもしれません。

 ちなみに、コンパクトカー・ナンバーワンの燃費性能を誇るデミオ13-SKYACTIVのカタログ燃費データは、10・15モードが30.0km/L、JC08モードが25.0km/L。

そんなわけでデミオなら燃費競争をしても勝てそうですが、ほかのコンパクトカーは軒並みカムリにカタログ燃費では負けているのも事実。

 プリウスのような専用設計ならまだしも、北米をターゲットとした大柄ボディのセダンでもハイブリッド化することで、ここまで燃費性能を上げることができる時代になっているのです。

 9/15に開幕するIAAフランクフルトモーターショーでは複数のメーカーからレンジエクステンダーEVを含むハイブリッド系コンセプトモデルが出品されるといいます。

 こうして、ハイブリッドカーが世界的なトレンドになりつつあるのも納得ですね。

 

 (山本晋也)

 

 

 

この記事の著者

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山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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