電気自動車はエコカーの中でも安全度が高い!

北米の保険会社による私設機関IIHS(Insurance Institute for Highway Safety, Highway)が、通常のエンジン車と同じ基準で、ピュアEVである日産リーフの衝突実験を行なったとのこと。そして量産EVが従来の手法による衝突実験を受けるのは、これが初めてとのことだという。

一般論として、リーフのようなEVはエンジンを持たないかわりにモーターを積んでいるので、フロントのクラッシャブルゾーンの確保には有利。その一方で、200kg以上にもなるバッテリーを搭載しているのでボディサイズのわりに重くなりがちで、そうした特徴が果たして衝突実験ではどう作用するのか?

結論は「パワートレインはまったく違いますが、リーフの衝突安全性は我々の基準におけるトップレベルのそれを示しました」と最高管理責任者であるジョー・ノーラン氏は語る。

さらに「燃費に優れるスモールカーは、コンパクトで軽いことがエコに効いてきますが、そのために衝突安全性に劣る傾向があります。しかしリーフのようなEVは十分な重量があるおかげで安全性に有利なのです。まさに”Small but safe”、小さくても安全なクルマといえましょう」とノーラン氏は続ける。

というわけで、百聞は一見にしかず。実験の様子が公開されているので、その映像をご覧あれ。

 

時速40マイルでの前面オフセット衝突実験

http://www.youtube.com/watch?v=rZVXLuaUX9c

当たり前のようにキャビンの変形は最小限で、またフロントにインバータや充電口などを持つリーフながら、そのあたりの電気パーツも問題ないよう。

 

時速31マイルでの側面衝突実験

http://www.youtube.com/watch?v=3Y36qVIFSTY

サイドエアバッグが側突から乗員を守っているのがわかります。もちろんバッテリーパックが飛び出してくるなんてこともありません。

 

ちなみに、同時にプラグインハイブリッドカーであるシボレー・ボルトの衝突実験も実施したとのこと。

その映像はこちらです。

http://www.youtube.com/watch?v=2DCSYdaPsmo

http://www.youtube.com/watch?v=VnO71HgSoYQ

(山本晋也)

 

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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