原発事故でガソリン価格が下がる?

原発事故の影響で、火力発電が頑張っています。

で、火力発電ですが、何を燃やすかご存じでしょうか?

火力発電の原料は、石炭、天然ガス、重油です。

石炭はあの黒いダイヤです。天然ガスは関東にもたくさん埋まっているといわれている炭化水素ガスです。重油は石油製品です。

この重油の需要が高まっていて、ガソリン価格が下がる可能性があるのです。

なぜ? お答えしましょう。よく千葉のガソリンスタンドは価格が安い! なんて聞いたことはありませんか?

石油や重油、軽油とはもともと原油から精留されてできるものです。

原油を蒸溜分離することで、ガソリンなどが作られるわけですが、このとき、沸点が低い天然ガスは早々に分離してくれます。メタンとかブタンなどがそうです。

次に、ベンジンやホワイトガソリンの基になるナフサが出てきてくれます。これがガソリンの基です。

その次が軽油や灯油で、320度以上になると出てくるのが重油です。

最後にアスファルトなどの残油も出てくるのですが、とにかく重油を作るには、ガソリンも軽油も作ることになってしまうのです。

つまり重油を作るために原油に手を付けると、ガソリンや軽油もできちゃうのです。

現在、重油の需要が増しています。

その結果、供給過多でガソリン価格が下がる可能性があります。ただでさえ自粛ムードでガソリン消費を抑えていますしね。

ようやく千葉のガソリンが安いって話ですが、これは石油元売り各社が「精留する際にガソリンもたくさんできちゃったー。でも保存するにもお金がかかるから手っ取り早く売りさばいた方が早いよねー。しかし系列に値段下げて売ると次もって言われるからヤダナー。じゃ白いタンクローリーで、ウチじゃないとこに卸せばいいじゃん」(これ以上は勘弁してください。二度とお目に掛かれなくなる・・・)

そしてこれが千葉だけで消費できないということは、広範囲でのガソリン価格の下落に繋がります(千葉県には精油所がたくさんあります)。

ちなみに最新のディーゼルは非常にクリーンですが、トラック需要だけでは国内で消費できないので、以前からわざわざ燃料を使って輸出しています。

ガソリン価格、下がるといいなぁー!

(佐藤みきお)