【自動車用語辞典:維持費「購入見積り書の見方」】車両価格と法定費用、販売店手数料の内訳などを記載

■クルマを購入する時には、車両価格+諸費用(20~30万円)が必要

●クルマの仕様と価格、諸費用の内訳に納得してから契約を

クルマを購入する際には、見積書で仕様と価格、諸費用を確認して最終的に契約書(注文書)にハンコを押して契約が成立します。クルマの購入費用には、クルマ自体の価格に加えて税金などの法定費用と販売店手数料がかかります。

購入費用の内訳を記載した見積書の見方について、解説していきます。

●見積書の確認事項

クルマを購入するためには、クルマ自体の価格に加えて諸費用が必要です。諸費用には、税金などの法定費用と販売店手数料があります。

クルマ自体の価格には、車両本体価格やオプション価格、値引き額が含まれます。法定費用とは、自動車税や環境性能割、自動車重量税と自賠責保険料などです。販売手数料は、検査登録手続きや車庫証明取得の代行費用、納車費用などです。

それぞれの費用について、以下に解説します。

●車両価格について

・車両本体価格
クルマ本体だけの価格ですが、メーカーオプションが本体の一部として含まれる場合もあります。

・オプション、付属品価格
メーカーオプションとディーラーオプションは、通常別々に記載されます。

・値引き額
交渉の結果の値引き額は、車両本体の値引きか、オプションの値引きか、総額に対する値引きかが分かるように記載されます。

・下取り価格
下取り車がある場合は、査定された下取り価格が記載されます。値引きの代わりに、査定額よりも高い金額で下取りされることもあります。

●法定費用

・環境性能割
クルマの購入価格に応じて課せられます。エコカー対象外の場合の環境性能割の税率は、クルマの購入価格の3%(軽自動車は 2%)です。

・自動車重量税
自動車重量税は、クルマの重量ごとに税額が規定されています。新車購入時に3年分、以降の2年ごとの車検では2年分をまとめて納めます。

・自動車税
排気量ごとに規定され、排気量が大きいほど自動車税は高くなります。新車の場合、登録月の翌月から3月までの月割りで払います。軽自動車は購入時にはかからず、納税は翌年度からです。

・自賠責保険料
クルマを購入する際には、強制的に自賠責(自動車傷害賠償責任)保険に加入することが法律で定められています。最初の車検までの3年分(36ヶ月または余裕をみて37ヶ月)の保険料が必要です。

・法定預かり費用
クルマの検査登録や名義変更の手続き、車庫証明書を取得する際に陸運局や警察署に印紙代で払う費用です。

・自動車リサイクル料金
自動車リサイクル料金は、シュレダーダストとエアバッグ類、フロン類のリサイクルに必要な費用と自動車リサイクルシステムを運営する費用を、ユーザーが負担する料金です。

・消費税
税金や自賠責保険料、法定預かり費用、自動車リサイクル料金以外には消費税がかかります。消費税は、2019年10月に8%から10%に引き上げられました。

自動車税と自賠責保険料
自動車税と自賠責保険料

●販売店手数料

・検査登録手続き、および車庫証明取得の代行費用
車検と新車の登録、車庫証明取得の代行費用です。

・納車費用
クルマを購入者の指定場所まで届ける費用です。自分で取りに行けば、かからない費用です。

・下取り費用
下取り車がある場合は、下取り車手続き代行費用が計上される場合があります。


クルマは、高額の買い物なので見積りの内容を注意深く確認して、納得して購入することが大切です。そのためには、最低限必要な知識が必要、分からないことは理解できるまで説明してもらって契約しましょう。

(Mr.ソラン)

この記事の著者

Mr. ソラン 近影

Mr. ソラン

某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までをやさしく解説することをモットーに執筆中。もともとはエンジン屋で、失敗や挫折を繰り返しながら、さまざまなエンジンの開発にチャレンジしてきました。
EVや燃料電池の開発が加速する一方で、内燃機関の熱効率はどこまで上げられるのか、まだまだ頑張れるはず、と考えて日々精進しています。夢は、好きな車で、大好きなワンコと一緒に、日本中の世界遺産を見て回ることです。
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