【昭和末期の名車列伝】鍛造ピストンやロールケージ標準装備で登場! ブルーバードSSS-R

昭和末期から平成初期にかけての名車を紹介するシリーズ企画。今回は1月28日に東京・お台場にて日本クラシックカー協会が主催したJCCAニューイヤーミーティングの会場からお届けします。

このイベントは1979年までに生産された車両の展示がメインで国内外の様々なプレミアムヒストリックカーが勢揃い。また会場内のクラブスタンド・ブースでは1989年までの車両も展示が許可されています。

さて今回はクラブスタンドにいた存在感ある車両を紹介します。1987年登場のブルーバードSSS-Rです(会場にいたのは1989年式の後期型)。

SSS-RはU12型ブルーバードがベース。国内の全日本ラリー選手権での必勝を期してオーテックが開発しNISMOが販売したホモロゲーションモデルです。

ベースである標準のブルーバードに対し、外観では大型のフォグランプやインタークーラーへの外気導入用のバルジが特徴です。

スプリングとショックアブソーバーも競技仕様のハードなものが採用されています。なお、軽量化も各所で図られました。

エンジンはSSS-Rの一番の注目点でもあります。標準モデルではCA18DETという1.8Lターボエンジンが搭載されていますが、SSS-Rではこれにコスワース製鍛造ピストンを投入し、エキマニもステンレスのタコ足が採用されました。これによって標準の175psから10psアップを達成しています。

なお1989年にはマイナーチェンジによって2LターボエンジンのSR20DET型に変更となります(標準モデルと同一スペック)。

インテリアでは4点式ロールケージが標準装備されていました。

全日本ダットサン会・副会長でClub U12代表の湯川峰さんによれば、SSS-Rのドライブフィーリングは「標準モデルとは全くの別物」とのこと。

クロスレシオミッションで軽量なボディーを操るのは非常に気持ちがいいそうです。一見ごく普通のセダンなのに走り始めたらとんでもなく速い。こんなクルマと街中で遭遇した当時の人は、非常に驚いたのではないでしょうか。

(写真・動画・文/ウナ丼)

【関連リンク】

日本クラシックカー協会
http://www.jcca.cc/event/2018/newyear/

この記事の著者

ウナ丼 近影

ウナ丼

動画取材&編集、ライターをしています。車歴はシティ・ターボIIに始まり初代パンダ、ビートやキャトルに2CVなど。全部すげえ中古で大変な目に遭いました。現在はBMWの1シリーズ(F20)。
知人からは無難と言われますが当人は「乗って楽しいのに壊れないなんて!」と感嘆の日々。『STRUT/エンスーCARガイド』という名前の書籍出版社代表もしています。最近の刊行はサンバーやジムニー、S660関連など。
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