【新車】今年で誕生50周年。初代から5代目の現在まで、ハイエースの歴史を振り返る

世界約150カ国で販売され、世界累計販売は約602万台(レジアスエースを含めると約633万台)にもなるトヨタ・ハイエース。海外では、「TOYOTA」よりも「HIACE」の方がブランドの認知度が高い(名が通っている)国もあるそうで、まさに世界的な「はたらくクルマ」であり、多くの乗員も乗せるワゴンでもあります。

初代ハイエースの企画がスタートしたのは、1964年の東京オリンピックの年だそうで、高度経済成長期の日本を文字どおり支えたバン/ワゴンといえそうです。

初代(10系)ハイエースは、トヨエースの小型モデルとして1967年「日本初の新分野のキャブオーバーバン」をコンセプトに誕生。今年で50周年を迎えました。トラックとは異なり、雨や埃などから荷物を守ることが可能なバンは、時代の高まるニーズにマッチしたそう。

1977年まで販売された初代ハイエースは、「新しい分野のデリバリーバン」を目指して誕生。物流の主流だったトラックのイメージから脱却し、デザインは当時好評だった3代目コロナ(RT40)の「アローライン」のイメージが採り入れられています。

2代目の20系は、1977年から1982年まで販売されました。4リンク式跳ね上げバックドア、スーパーロング系ハイルーフの採用、ディーゼルエンジン、AT車の追加などがトピックス。

1982年から1989年まで販売された3代目の50系は、オイルショックやカーエレクトロニクスの発展などの時代の変化により、商品力強化の必要性がとくに求められ、「バンはバンらしく」、「ワゴンはワゴンらしく本物に」を掲げ、ワゴン専用リヤサスペンション、4WDの追加、バンに最上級グレードの「スーパーGL」が設定されました。

1989年から2004年までリリースされた4代目の100系は使いやすさと豪華さが追求され、「Top of 1BOX」を掲げ、前席の居住性をはじめ、操作性向上、衝突安全性能の向上、パワースライドドアなどが盛り込まれました。

5代目の現行型は、2017年11月の一部改良で「Toyota Safety Sense P」を採用。ディーゼルエンジンの燃費向上などが図られています。

なお、ハイエース50周年を記念して、歴史を歴代車両とともに紹介する特別展示をメガウェブ(東京都江東区/2017年11月23日から12月3日)、トヨタ博物館(愛知県長久手市/2017年12月5日から12月14日)にて開催されます。

(文/塚田勝弘 写真/塚田勝弘、トヨタ)

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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