カーデザインの専門誌CAR STYLINGは現在休刊中ですが、同誌が毎年選定している日本カーデザイン大賞は今回も2011-2012 日本カーデザイン大賞として選定されました。これらの授賞式がカーデザイナーの新年会ともいえる1月21日に開催されたC&Tミーティングのなかで行なわれました。
日本カーデザイン大賞にはゴールデンマーカー・トロフィとして、2011年のもっともすぐれたカーデザインを選ぶもので市販車部門、コンセプトカー部門があります。さらに、ゴールデンクレイ・トロフィという賞も設定されています。こちらはカーデザインのスケッチから3次元のモデルに作り上げる能力に対して授与されるものです。
今回の2011-2012年は、ゴールデン・マーカー・トロフィの市販車部門がVW UP!に決定。ダウンサイジングは今後の大きな流れではありますが、単に軽量化が目的なのではなくユーザーをとりまく生活とクルマに対する意識が変化するなかで、新たなクルマの価値として創出してきた点が評価されました。しかしながら、コンセプトカー部門は該当なしとなりました。
そしてゴールデン・クレイ・トロフィはマツダ靭(SHINARI)が受賞しました。実際にはSHINARIというよりも、SHINARIのベースとなるデザインテーマ「魂動」(こどう)に対し造形の新しさと美しさが評価されました。
ゴールデンマーカー・トロフィーを授与されたフォルクスワーゲンジャパンの駒見吉宣・プロダクトマーケティング担当部長。(左)プレゼンターは選考委員の松尾良彦氏(右)。「UPの後ろにつく” ! “は、まったく新しいプロダクトに対するデザイナーの気合いのようなものがデザイン段階から感嘆符として表現され続け、それがやがてマーケティングの目に留まり、UPのコンセプトにふさわしいとして採用が決まったものだった」とのこと。
ゴールデンクレイ・トロフィー受賞のマツダ・デザインチーム。前田育男デザイン部長(左)以下、受賞の喜びを語る。「通常のカーデザインは、サイドを見るとハイライト(光がもっとも反射する部分)がフロントからリアまできれいに流れるものが美しさの基本とされてきたが、SHINARIはそんなことを一切無視している。」
MATSUNAGA, Hironobu