原発で働く遠隔操作クローラーダンプの正体は?【東日本大震災】

震災以来、目の離せない緊迫した状況がつづいている原発の現場。

その現場で活躍する”はたらくクルマ”の一台を東京電力が公開しました。

それが、こちらの『遠隔操作クローラーダンプ』。

東京電力の発表によれば、放射性物質を含むチリの飛散を防ぐために樹脂を散布することが目的で、たしかに荷台にはタンクと噴射口らしきものが確認できます。

しかも、このマシンは遠隔操作により人間が近づくには危険なエリアへも入っていけるということ。なるほどボディ先端にみえるカメラは、そのためのアイテムなのでしょう。

いかにも緊張感あふれる写真ではありますが、こうした姿をみてしまうと、この”はたらくクルマ”の正体が気になるのはクルマ好きの性でしょうか。

というわけで、キャビンの形状などから判断するに、このマシンはコマツ製ダンプトラック「CD110R」で間違いなし。

モデル名からも想像できるように最大積載量は11t、クローラーゆえに最高速度は10km/hと控えめ。それゆえに「かたつむり1号機」とネーミングされているでしょう。

とはいえ、その心臓部には定格出力247PS/1900rpmの6気筒8270ccディーゼルターボエンジンを搭載。ちなみにボディサイズは全長5405mm×全幅3050mmと意外に(?)コンパクト。

発売開始された2004年当時で1830万円という価格が公表されておりますが、さらに遠隔操作仕様となっていることを考えると、もっともっと高価な一台であると想像できるわけです。もっとも、今回の条件を考えれば、こうしたはたらくクルマたちは使い捨てになってしまうのも否めないのは残念ではありますが……。

ともかく、活躍に期待しましょう!

 

(山本晋也)

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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