BMWのストレート6とハイブリッドが初タッグ。主役はモーター、エンジンは脇役?

7シリーズやX6といったV型エンジン搭載モデルにハイブリッドを追加してきたBMWが、ついにストレート6エンジンのハイブリッドカーを発売します。

 

それがActiv Hybrid 5

 

待望の5シリーズに追加されたハイブリッドカーは、BMWの象徴ともいえる直列6気筒エンジンとモーター、8速ATを組み合わせたもの。

エンジンは従来からある3.0リッターターボ(300馬力)で、モーター出力は7シリーズよりも大きな55馬力。もっとも、それぞれの発生回転が異なるからでしょうか、エンジンとモーターをあわせたシステム最大出力は335馬力。

 

ちなみに、BMWとして最初のハイブリッドカーである7シリーズのActiv Hybrid 7の場合は4.4リッターV8ターボエンジン単体で440馬力、システム出力で455馬力。比較すると、ずいぶんとモーターが大きくなって、相対的にエンジンの存在感が小さくなっているようにも思えます。

 

またモーター出力の上昇に合わせて、60km/hまでは電気モーターだけで走ることも可能。こうしたEVモードは35km/hならば4kmほど走行できるということです。

なおバッテリーはリチウムイオンで、総電力量は675Wh。プリウスが約1000Whですから、それよりも少ない電力量でほぼ同じだけモーター走行できるというのは、8速ATと組み合わせているゆえかもしれません。またモーターとATはクラッチでつながっているとのこと。

 

そうしたモーター主体のハイブリッドシステムであることはBMWの発表にある次の一文からも明確。

 

『The internal combustion engine is only started when the driver requires more power.(内燃機関はドライバーがよりパワーを欲するときにスタートします。)』

 

エンジンにこだわってきたBMWも、ついにその存在をバイプレーヤーにしてしまうのでしょうか。

 

否。

 

さきほどの一文には続きがあります。

 

『The electric motor provides a “boost” function to supplement the engine when accelerating.(電気モーターは加速時にエンジンを助ける”ブースト”機能という役割があります。)』

 

やはり加速時にはエンジンが主役で、モーターはサポート役。

 

まだまだBMW伝統のストレート6は主役から降りるつもりはないようです。

 

 

それにしてもストレート6のスムースな回転上昇にモーターアシストが加わったときに、どんな味付けになっているのか。雑味になってしまうのか、それともスパイスとして効いてくるのか、気になりませんか。

 

 

 

なお発売は、アメリカで2012年3月の予定です。

(山本晋也)

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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