■11年目のシーズンを迎える電気自動車レースがスタート
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、レースの延期、リ・スケジュール、さらにはチームの参戦中止などが相次ぎ、イベント自体の中止もいくつか発表されている2020シーズンのモータースポーツ業界。
それでもアメリカ最大のストックカーレースであるNASCARはレースフォーマットを大きく変更し、練習走行や予選は行わず、無観客という形で5月17日にレースを再開しています。そして日本国内でも、5月30日(土)に日本電気自動車レース協会(JEVRA)が、今シーズンのEVによるレースをスタートさせます。
JEVRAは昨年設立10シーズンを迎えた電気自動車のみで争われるレースです。一般のEVオーナーが気軽に参加できるレースでありながら、過去には、松田次生選手、佐々木大樹選手、片山右京選手や中野信治選手、井出有治選手など国内トップレーサーも参戦しており、初代チャンピオンは飯田章選手だったりします。
その内容は、レース距離50km前後のレースとなりますが、通常のレースのように全開で走行してしまうとゴールにたどり着けません。
30分ほどのスプリントレースでありながら、耐久レースのような戦略も必要で、いかにしてモーターやバッテリーの発熱を抑え(激しい発熱はセーブモードを誘発してしまいます)、使用エネルギーをセーブして走り切るか? 毎戦、各ドライバーが戦略を練りながら難しいレースを展開しています。
2020シーズンは、例年よりもレース数を増やし、筑波サーキットでの3戦(レース距離はそれぞれ50km/55km/60kmと変化をつけています)、袖ケ浦フォレストレースウェイでの2戦(筑波戦と同様にレース距離は50km/55km)、それにスポーツランドSUGO、富士スピードウェイの全7戦を予定していました。
最初にレーススケジュールを発表したタイミングでは、4月12日(日)に茨城県の筑波サーキットで開幕するはずだったのですが、この状況下で、その開催を2度にわたって延期しました。
そのため筑波サーキットでの最初のレースは6月21日(日)へとずれてしまい、当初第2戦として組み込まれていた5月30日(土)の袖ヶ浦フォレストレースウェイでの50kmレースが今シーズン開幕戦へと入れ替わったのです。
今回の開幕戦では14台がエントリーしています。そのEVの顔触れは実に幅広く、アメリカの電気自動車メーカーであるテスラの車両、ロードスター、モデルS、そしてモデル3の3機種、燃料電池車のトヨタ・ミライ(EV-Fクラス)、日産リーフ(EV-2およびEV-3クラス)、レンジエクステンダーの日産ノートe-Power(EV-Rクラス)、さらに、内燃エンジン車両からエンジンを下ろしてバッテリーとモーターを搭載して改造したコンバートEVも参戦予定となっています。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言が解かれた、その最初の週末に開幕することとなったJEVRAシリーズ。その開幕戦は、千葉県・袖ケ浦フォレストレースウェイで5月30日(土)に予選(午前11時5分より)および決勝(午後3時50分から21周)が行われます。