■ソフトウェアをネットワーク経由でアップデート
以前お伝えしたように、バッテリーEV、PHEVに「Recharge(リチャージ)」の車名を与え、電動化戦略を推進しているボルボ。
ボルボといえば電動化の推進だけでなく、「社是」ともいえる安全を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。同ブランドは、次世代車にLuminar(ルミナー)製のLiDAR(ライダー)技術を搭載し、安全な自動運転を実現すると発表しました。
シリコンバレー発のスタートアップとして成長を遂げてきたルミナールと提携することで、ボルボの次世代車向けに最新のLiDARとセンシング技術を搭載するのが概要です。このパートナーシップにより、ボルボの最初の完全自動運転技術が高速道路上で実現し、将来のさらなる安全技術の開発の道が拓かれるとしています。
●高速道路上での完全自律運転を目指すボルボ
Luminar製のLiDARが搭載されるのは、次世代の「SPA2(スケーラブル・プロダクト・アーキテクチャ2)」モジュラーアーキテクチャで、2022年から生産が開始される予定のハードウェアに対応し、ルーフにシームレスに統合されたLuminar LiDARを備え、自動運転に対応するとしています。
この自動運転は、高速道路上とアナウンスされていることから「レベル3」相当とも受け取れますが、ボルボはレベル3はやらずに、レベル4以上を目指すという話も関係者から聞いたことがあります。さらに、ボルボに限らずSEAによる自動運転レベルに当てはめるのを避ける(明確にしない)メーカーやブランドも出始めています。
「SPA2」ベースの次世代車はネットワーク経由でアップデートされ、ユーザーが選択すれば高速道路上での完全自律運転の条件が整います。そして、車両が安全であると確認すれば、自律運転がオンになります。
また、ボルボとルミナールは、将来のすべての「SPA2」ベース車両にLiDARセンサーを標準化し、将来の高度運転支援システム(ADAS)におけるLiDARの役割も模索しています。
Luminarの技術は、高性能のLiDARセンサーに基づいていて、何百万ものレーザー光のパルスレーザーを放出。周囲を3Dでスキャンすることで、オブジェクトがどこにあるかを正確に検出し、インターネット接続を使わずに一時的なリアルタイムマップを作成するそう。
Luminarは、従来の安全性能の次の時代は、自律走行にあると位置づけていて、量産化を可能にするためのコスト、性能、自動グレードの重要な課題を解決し、ボルボと共にこの技術を世界に提供していく、とコメントしています。
(塚田勝弘)