緊急事態宣言で自動車関係どうなる? 基本的にクルマでの移動は制限されない

■新型コロナ対策『緊急事態宣言』が出されたら自動車で移動できないのか?

我が国も遅ればせながら新型コロナ対策のため『緊急事態宣言』が出されることになる。といっても日本で初めて施行されることもあり、私達の日々がどうなるのか予想しにくい。果たして自動車関連産業はどうなるのだろうか。新型コロナ禍始まってから今までの流れや、海外で施行された厳しい外出宣言や、都市のロックダウンで起きていることと合わせ、考えてみたいと思う。

緊急事態宣言で自動車での移動は制限されるのか?
緊急事態宣言で自動車での移動は制限されるのか?

・クルマでの移動

まず確実に言えるのは、クルマでの移動にはあまり制限が掛からない、ということ。国の中での移動制限が掛かったイタリアや中国では厳しい移動制限を行ったものの、それ以外の国では普通にクルマを使えている。理由は簡単。クルマで移動中に新型コロナを感染させたり&したりする可能性が無いからだ。日本の緊急事態制限もクルマでの移動に制限掛ける内容は含まれていない。

街中の道路
クルマでの移動には規制はかからない

厳しい行動制限を掛けている海外などですらレンタカー会社が医療関係者などに無償で通勤用の車両を提供しているほど。したがって自分のクルマで買い物に行くことは制限されない(ただショッピングセンターで入場制限が掛かる可能性は十分ある)。医療関係や流通関係に代表される業種で電車通勤は怖いというなら、自分のクルマやバイク、自転車で移動すればいいと思う。

・修理

問題が出てくるのは修理。すでに3月下旬からパーツセンターの業務を休止しているメーカーもある。例えばスバルの場合、3月25日から4月6日までパーツセンターを締めた。感染者急増状況を見ると、そのタイミングで休止を決めたのは英断だと思う。ただ4月7日から緊急事態制限となったら、3週間は稼働出来ない。走行に問題出てくる故障が出たら、使えなくなると考えておきたい。

・車検

車検は3月31日までに切れる車両について4月30日まで延長が認められている。この措置、4月30日以後も続くと考えていいだろう。その場合、自賠責保険は切れてしまう(基本的に車検期間+1ヶ月加入)。救済措置が作られると思うので、指示を待てばいい。困ったことに整備工場も車検場も、緊急事態宣言で自粛の対象になるか不明。パーツ無いと修理も出来ませんが。

4月8日追記 2月28日~5月31日までに車検が切れる7都府県のクルマは6月1日まで期限延長が発表された。

車検期間はすでに延長されている
車検期間はすでに延長を認められている

・免許

すでに3ヶ月の更新猶予措置が出ている。でも手続き方法を自治体に任せているため、思考能力の弱い地域は試験場まで行って猶予手続きをしなくてはならない。こういった地域に住んでいる人は可哀想です。大阪のように郵送で手続き出来る地域も増えて行くことだろう。免許更新時に受ける講習の新型コロナ対策も地域によって様々。人と人の距離が足りないケースも目立つ。

運転免許センター
免許の更新には、すでに3ヶ月の猶予措置がなされているが、自治体によって手続きが異なる

・自動車ディーラー

自動車ディーラーはメーカーによって対応が分かれそうだけれど、少なくとも緊急事態宣言が出された東京や大阪など平常営業ということにならないと思う。そもそもサプライチェーンに問題出て休止する工場が増えており、売れ筋モデルは納期も見えなくなってきた。けれどクルマは重要な移動手段のため、何らの対応をしてくると考えていい。必要最小限の機能を残す可能性大。

自動車ディーラー(イメージ)
自動車ディーラー(イメージ)

・中古車

大手と関係の無い中古車ディーラーについていえば、在庫を持っていると資金繰り的な厳しさが出てくる。当然ながら営業を続けるケースも出てくることだろう。中古車ディーラーは3密を避ければいいだけだし、企業破綻の回避は社会的なメリットも大きい。むしろ新型コロナに感染しないようクルマが欲しい、という人も出てくると思う。中古車の購入は経済を回す社会貢献か。

・ガソリンスタンド

重要な生活物資を供給する拠点と言うことでガソリンスタンドは平常営業を予定している。ガソリンの備蓄量たっぷりあるし、様々な輸入物資に不足が出ている直近ですらタンカーの運航は平常。石油プラントの休止も計画されていないため、困ることなどない。緊急事態宣言が出た直後は混むかもしれないが、焦る必要無し。むしろクルマの移動量減るため、ガソリンだぶつくと思う。

ガソリンスタンド外観
給油は特段あせる必要なし

・他人との同乗

家族以外の他人と同じクルマに乗って移動するときは、必ず窓を2cmでいいから開けておきたい。室内循環モードで窓締めたら確実な3密です。窓さえ開けておけば空気が流れるため、感染の可能性が大幅に減る。加えて人のクルマに乗るなら、室内を触らないように。触ったら必ず手洗いを! レンタカーや人のクルマを運転するなら、ハンドルの殺菌を必ず行って欲しい。

(国沢光宏)