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■スタンディングウェーブ現象による異常振動が発生したら要注意
●バーストの原因は、第一に空気圧不足、その他タイヤの劣化、過剰な空気圧、過積載など
タイヤのバーストは、走行中に突然タイヤが破裂する現象です。外的な要因で空気が徐々に抜けるパンクに対して、バーストはタイヤの不具合で突然破裂して走行不能になるため、非常に危険です。
タイヤのバーストの発生原因と防止法について、解説していきます。
●タイヤのバーストとは
パンクは、釘などの尖ったものを踏んでタイヤの空気が徐々に抜けていくので危険性は低いですが、バーストは走行中に突然タイヤが破裂するので非常に危険です。
バーストが発生する原因としては、空気圧不足やタイヤの劣化、過剰な空気圧、過積載などがあります。以下に、それぞれの原因について解説します。
●バーストの原因
・空気圧不足
バーストのもっとも多い原因としては、空気圧不足があります。
タイヤの空気圧が低すぎる状態で高速走行すると、タイヤの側面が波打ちながら撓みます。この状態は、「スタンディングウェーブ現象」と呼ばれ、車体には振動が発生します。
そのまま走行を続けると、タイヤ側面のゴムが激しく伸縮を繰り返し、摩擦熱によってゴムが焦げる臭いが発生します。
最終的に、タイヤ側面の一部が亀裂してバーストが発生します。
・タイヤの劣化
長期間タイヤを交換せず使い続けると、ゴムは温度変化や伸縮などで劣化を起こします。
劣化によって、ゴム自体が硬化してひび割れが発生します。最終的に、ひび割れが表面だけでなく内部にも進行してバーストが発生します。
タイヤの摩耗は、溝の深さ、スリップサインで判定するのが一般的ですが、ほとんど走行しない場合でもゴムは時間とともに劣化が進行します。劣化による硬化によってひび割れが発生するので、タイヤは少なくとも3~4年程度で交換すべきです。
・過剰な空気圧
タイヤの空気圧が高いのも、バーストの原因になります。
夏場は、路面温度が上がるのでタイヤ内の空気圧が上昇しやすくなります。風船と同じで、空気圧が上がり過ぎると、突起物などの衝撃でバーストする恐れがあります。
タイヤの設定空気圧は、車種によって異なりますが、月に1回は空気圧をチェックすべきです。特に高速走行する前には、注意が必要です。
・過積載
過積載によってタイヤが変形し、その状態で長時間走行を続けると空気圧不足状態と同様にバーストが発生しやすくなります。
積載量は、車種によって決まっており、過積載はタイヤや足回りに大きな負荷がかかります。普通乗用車の場合、上限は総重量5トン、積載量3トンが道路交通法で規定されています。
●バーストの前兆があった時および発生した時の対応
バーストが発生する前にスタンディングウェーブ現象が起こると、車両に振動が発生します。振動は、バーストの前兆だけでなくさまざまな要因で起こりますが、通常と異なる振動を感じたら安全な場所に停止して、まずはタイヤが大丈夫か確認しましょう。
最終的にバーストが発生すると、誰にでもわかる激しい振動が起こり、操縦不能となり非常に危険なので、落ち着いて速度を落としながら安全な場所に停止します。
バーストすると、ホイールなども傷めている可能性もあるので、自分でタイヤ交換せずにサービスや整備業者などに修理を依頼するのが安心です。
タイヤのバーストは、命に係わる危険なトラブルです。
タイヤの定期点検が重要なのは無論のことですが、バーストの発生前には必ず前兆があるので予知することが重要です。車両とステアリングの振動、直進走行でのステリングの違和感などで予知したら、とにかく安全な場所に停止して、何が問題なのか確認しましょう。
(Mr.ソラン)