一体どうなるの? 開幕が待ち遠しい、2020年の国内モータースポーツ

●モタスポロスな方々の新たな楽しみ方「エア◯◯」

本来であれば3月21日のスーパー耐久を皮切りに、今週末4月4日にはスーパーフォーミュラ、そしてその翌週にはスーパーGTが開幕する予定だった国内モータースポーツ。

ところが今年1月下旬の国内初感染に始まり、今や全世界的に感染が拡がっている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を受け、予定されていたレースは日程延期、開幕前の公式テストも中止あるいは無観客やパドックへの入場制限という厳戒態勢の下での開催を余儀なくされました。

そんな中、Twitterではハッシュタグを使った空想イベント「#エアモースポフェス」や「#エアGT」「#俺のSUPERGT1号車」などが開催され、モタスポロスな多くのファンがネット上で集い、盛り上がりを見せています。

そこで今回はそんなエアイベントに便乗しつつ、3月末現在で延期が決まっている各カテゴリのレースをまとめてみたいと思います。

●スーパー耐久

3カテゴリの中で唯一3月に開幕が予定されていたスーパー耐久シリーズ。新型コロナウイルスの猛威がまだ今ほど本格化する前の2月29日、富士スピードウェイにて公式テストが開催されました。このテストでは一般観覧者のパドック入場を禁止し、感染拡大防止措置を講じた中で行われました。

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公式テストではナイトセッションも行われた

しかしテスト開催から2日後の3月2日には、3月21〜22日に鈴鹿サーキットで開催予定だった開幕戦の開催延期が発表され、11月21〜22日に代替開催されることが後日発表されました。また、当初第2戦として4月25〜26日に開催を予定していたSUGO大会も、3月30日に10月3〜4日への開催日程変更が発表されました。

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富士スピードウェイでの開幕になるのか?

これによって、本稿公開時点では、6月5〜7日に富士スピードウェイで開催が予定されている「富士SUPER TEC 24時間レース」が事実上の2020シーズン開幕戦となりそうですが、国内情勢はもとより、メインスポンサーでありコントロールタイヤの供給元でもあるピレリタイヤの本国イタリアの情勢によってはまだまだ今後も変更があるかもしれません。

ただゴールデンウィーク明けの5月7日には、この24時間レースに向けて夜間走行を含む公式テストも予定されており、他のモータースポーツの開催延期(後述)によって、もしこのテストが開催されれば5月唯一のレースイベントとなる可能性もありますので、特にモタスポロスの方々は予定に入れておいてみてはいかがでしょうか?

●スーパーフォーミュラ

鈴鹿サーキットで3月9〜10日に開催予定だった第1回公式テストが、開催1週間前となる3月2日に延期と発表され、代替予定だった4月3〜4日の開催も発表前に中止が決定。

3月24〜25日には富士スピードウェイで予定通り第2回公式テストが開催されましたが、こちらはスーパー耐久と同様一般観覧者のパドックへの入場禁止と、メディアを含む全てのエントラント、関係者への事前の問診票提出を実施するなど、こちらも厳戒態勢の中での公式テストになりました。

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富士スピードウェイで行われた公式テスト

4月4〜5日の開催が予定されていた開幕戦「2020 NGKスパークプラグ 鈴鹿2&4レース」は、スーパー耐久と同じ3月2日に開催延期を発表、代替開催日程は本稿執筆時点では未定となっています。

第2回公式テストが行われた富士スピードウェイで開催予定だった第2戦(4月18〜19日開催予定)は3月18日に、そして九州オートポリスで5月16〜17日に開催予定だった第3戦も3月31日に開催延期を発表、第1戦と合わせて代替開催日程は未定となっています。

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今シーズンスーパーフォーミュラの話題のひとつ、F1女性テストドライバーのタチアナ・カルデロン選手

第4戦は6月20〜21日にスポーツランドSUGOにて開催の予定ですが、こちらも果たしてどうなるのかは今後1ヶ月ほどの情勢次第とも言えるでしょう。

●スーパーGT

モータースポーツファンでもやはり1番気になるのがスーパーGTの動向ではないでしょうか?

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まだ完全にラッピングされていない19号車WedsSport ADVAN GR Supra

近年ファン感謝イベントとして開催されてきた岡山国際サーキットでの公式テストは予定通り3月14〜15日に開催されましたが、こちらは無観客で開催され、入場全関係者の問診票提出と来場全日程での体温測定、報告を行うなど、スーパーフォーミュラ以上に感染拡大予防措置を講じての開催となりました。そのため残念ながら例年恒例となっているテストカラーリングを施したマシンが一般に公開されることは叶いませんでした。

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限定カラーリングとなった16号車MOTUL MUGEN NSX GT

また、同じくファン感謝イベントとして定着している富士スピードウェイでの公式テストは、岡山と同じ対策を行っての開催が予定されていましたが、開催前日となる3月27日に急遽中止が発表されました。

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公式テストに参加したニッサン開発車両230号車

公式テストが行われた岡山で4月11〜12日に開催される予定だった開幕戦は、岡山公式テストが行われた3日後の3月18日に開催延期が発表され、同30日には第2戦富士(5月3〜4日開催予定)及び第3戦鈴鹿(5月30〜31日開催予定)の開催延期が発表されました。代替日程はこちらも今後改めて発表されるようです。

スーパーGTについてはそれ以降第4戦タイ、第5戦セパンと海外戦が予定されていますが、マシンのロジスティクスや国際情勢を考えると、一体いつ開幕戦を迎えられるのかまだまだ先の見えない状況となっています。

●収束する兆しの見えないCOVID-19

こうして最大限の注意と対策を講じて、関係者の中からは感染者を絶対に出さない!という気持ちと行動の中行われてきた開幕前テストですが、残念ながら富士スピードウェイで行われたスーパーフォーミュラテストに参加していた関係者から、新型コロナウイルス感染の陽性反応が出たことが後日判明し、所属チームから発表がありました。これについては現地メディアにも取り上げられています。

この事態を受け、筆者も国の指針に従って14日間の自宅待機、経過観察中であることを書き加えておきたいと思います。

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TEAM MUGENのスーパーフォーミュラ15号車

まだまだワクチンや特効薬がいつできるのかもわからない状況の中、今私達にできるのは可能な限り感染のリスクを減らすこと、そしてもし感染者との接触が疑われた場合は、自分からは新たな感染者を出さない!という強い気持ちで対応する事ではないかと感じています。

一刻も早い感染の減少と事態の収束、そしてまた心からモータースポーツを楽しめる日が来ることを願ってやみません。

(H@ty)

【関連リンク】

MUGEN「チーム関係者における新型コロナウイルス感染者の発生について」
http://www.mugen-power.com/motorsports/news/deital/id=939&date=2020

DELFISPORT
https://m.sport.delfi.ee/automoto/article.php?id=89394997&fbclid=IwAR2tmPQLHk6vhqacKDul4RnkK0IZy63yrqGdrczvqUMgRqm-de1bJjzsKBw