中国の新型コロナ問題、武漢では感染者数が減ってきているようだけれど、中国全体で見ると全く楽観できない状況になってます。当然の如く工場の稼働率は極端に低下しているし、生産しても運ぶことができない。という影響が遠からず日本の工場にも出てくる。例えばあるメーカーのオイルエレメントは、タイと中国の工場で生産し日本に持ってきてます。
同じ部品のため、どちらの工場で作ったモノでもOK。東日本大地震やタイの大洪水被害を受け、2つ以上の拠点で同じ部品を作るという対策をしてきた成果だと思う。しかし。当たり前のことながらタイだけで中国工場の分の生産をカバーすることなどできない。調べてみると運送などのバッファを持っており、2週間~1ヶ月程度の余裕だという。これを過ぎると影響大。
今回は春節休みを考え1ヶ月程度の余裕を持たせていたようだけれど、さすがに厳しくなってきているようだ。前出のオイルエレメント、タイ工場でフル生産を掛けているが追いつかず、このまま中国工場分を失ったままだと足りなくなるという。同じ状況が様々な部品に出てきているようだ。他の系列から部品を調達しようとしても、どこのメーカーだって事情は同じ。
汎用性の高い部品は各社からの引き合いが殺到しており、これまたパンク寸前になっている。月末くらいになると各社工場の稼働率を30%程度落とすか、週休3日くらいになっていくだろう。ただ日本で新型コロナ感染者が増えると日本の工場も稼働できなくなる。そうなれば部品不足という問題などたいしたことない? 3月はどうなるか予想付かない。
また、カー用品店などで扱っているアフターマーケットの用品や部品も2月上旬から入荷がなくなっているようだ。どこの倉庫に行っても床が見えているという。中国で生産していた用品や部品、一般的に考えられているより広範に及ぶ。もちろん人気商品の欠品は採算に大きな影響を与える。厳しい状況になってしまう企業も少なからず出てくるかもしれない。
一つだけ言えるのは、自分自身が新型コロナに感染するタイミングをなるべく先延ばしすべきだということ。感染者数増えるピークに発症すると、満足な医療を受けられない可能性も出てくる。今、混雑する通勤電車やバス、飛行機などに乗るのは避けるべき。すでに社員重視の企業は自宅での仕事を認め始めてます。ピークをずらした通勤なども感染防止に有効。
イベントも次々と延期や中止になっている。F1の中国GPは行われなくなったし、2年に1度開催の北京モーターショー中止。2週間後に迫ったジュネーヴショーについちゃ決行のようだけれど、おそらく取材メディアすら激減すると思う(すでに中国メディアは欠席)。週末に掛け、様々なイベント中止が発表されることだろう。皆さん考えているより大きな騒ぎになる。
(国沢光宏)