令和2年のミーティングは佐野駅前からはじまった!【佐野ニューイヤークラシックカーミーティング】

■国内外の旧車が幅広く集合!今年も旧車はおもしろい!!

●2020年佐野ニューイヤークラシックカーミーティング

令和になって初めてのお正月を迎えました。1月12日には栃木県佐野駅周辺で、早くも旧車ミーティングが開催されました。このミーティングは毎年恒例となっている「さの新春うんめぇもんまつり」と併催して行われる「佐野ニューイヤークラシックカーミーティング」です。新年早々からパワフルな旧車乗りの愛車たちを紹介しましょう。

平成の時代まで、新年最初の旧車ミーティングは日本クラシックカー協会が主催する「ニューイヤーミーティング」というイベントでした。昭和の時代から続いた伝統あるイベントだったのですが、会場だった東京お台場の青海駐車場がオリンピック開催に伴い使用できなくなり、イベント自体も終わってしまったのです。

これに代わるイベントとして注目されることとなったのが、この「佐野ニューイヤークラシックカーミーティング」です。主催は日本旧軽車会。この団体は代表である吉崎勝さんが2019年に立ち上げたもので、日本独自の規格である軽自動車、特に360cc時代のクルマを保存するために活動しています。その吉崎さんは、これまでも各地で旧車ミーティングを精力的に開催してきて、なんと今年は年間26ものイベントを開催すると宣言されました。

吉崎勝さん
交流広場で開会の挨拶をする日本旧軽車会の代表、吉崎勝さんです。年間26回もの旧車イベントを仕掛けるには大変な苦労があることだと思われますが、昨年も数多くのイベントを開催されました。

ミーティングには前夜から協力クラブである全日本ダットサン会のメンバーたちも来場します。古いダットサンからZになる前のフェアレディなど、1950年から60年代の日産を代表する車種が集まるのです。全日本ダットサン会の会長である佐々木徳治郎さんも駆けつけ、開会式で「吉崎さんの精力的な活動は、日本に古いクルマの文化を根付かせるものです。今年は吉崎さんを表彰することになりました」と、新春らしいセリフが飛び出しました。

佐々木徳治郎さん
全日本ダットサン会の会長である佐々木徳治郎さんからは「吉崎さんの功績を称えて表彰したいと思います」と、イベント開催の努力を皆さんで祝うと宣言されました。

ミーティングは地元のお祭りと併催されることもあって、会場が3つに分かれます。一つは佐野駅前の交流広場、駅の南に位置する佐野市役所前の路上に設けられた特設会場、そして「うんめぇもんまつり」が開催される佐野商工会議所です。

電車で来場するとまず目に入るのが、佐野駅前交流広場に並んだ国産車たちです。

会場
佐野駅前交流広場にズラリと並んだ国産旧車たち。駅を降りてすぐですので、利用者から注目が集まります。
スカイラインGT-R
駅前交流広場の最前列にはスカイラインGT-Rが並びました。これだけでも好きな人にはたまらない光景でしょう。
軽自動車
駅前は交流広場だけでなく、駅の敷地いっぱいを使ってクルマが並べられました。と言っても通路の邪魔にならないよう、360cc時代の小さな軽自動車が中心です。
ビートやカプチーノ
交流広場と反対側の広場にも国産車たちが並んでいます。こちらにはビートやカプチーノ、AZ-1などが集められています。2000年式までのクルマなら参加が可能です。

今回は三菱車を並べようとの趣旨で、歴代のミニカやミニキャブ、三菱360などの可愛らしい姿が目立ちました。それとは対照的に第一世代スカイラインGT-Rやトヨタ2000GTなど世界的な人気モデルも並び、バラエティ豊かな光景が楽しめました。この駅前交流広場ではバンド演奏も行われ、終始賑やかな雰囲気に包まれました。

バンド演奏
駅前のロータリーを使ってバンド演奏が行われました。演奏するのはもちろん、昭和の歌です。オジサン世代には懐かしく、足を止めて聞き入る人が見受けられました。

市役所前の道路を封鎖した特設会場では、マツダ・いすゞの歴代モデルのほか、比較的新しい国産車が並びます。このミーティングでは2000年式までと幅広い年代のクルマたちが参加対象になるため、偏りなくクルマが集まるようです。

展示スペース
佐野市役所の前に伸びる道を通行止めにしてクルマを展示するスペースにされています。こちらにはトヨタや日産はもちろん、マツダやいすゞなどのクルマが数多く並びました。
RX-7
ダットサンの後にはズラリとサバンナRX-7が並び圧巻の光景です。ロータリーエンジンが途絶えて久しいですが、ぜひまたRX-7が復活することを願ってしまいます。
コペン
2000年式までなら参加が可能ですので、ダイハツ・コペンも並んでいます。こちらの一角ではシザードアに改造されたコペンが集まっていました。オフ会を兼ねているようです。
360cc時代の軽自動車
新しいクルマばかりでなく、昭和30年代40年代の軽自動車たちも元気です。360cc時代の軽自動車は今見ても個性的なスタイルのクルマが多いので、幼い子供たちにも人気でした。
自動販売機
クルマが並ぶ横にコインゲームやガムの自動販売機まで並んでいます。昭和を知る世代には懐かしい演出です。

そして「うんめぇもんまつり」が開催されている商工会議所は、数多くの来場者で賑わいます。屋台でB級グルメを味わったり、歌や踊りを見ることができる新春ステージに集まる人々で、先に進むのが大変なほどの混みようなのです。

さの新春うんめぇもんまつり
佐野商工会議所の敷地を使って「さの新春うんめぇもんまつり」が開催されています。クラシックカーミーティングはこの祭りと併催される形で運営されているのです。
新春ステージ
さの新春うんめぇもんまつりでは屋台によるB級グルメを味わうだけでなく、新春ステージとして歌や踊りを楽しむこともできました。

人混みを抜けて裏手の駐車場に進むと、輸入車たちが並んでいます。フルサイズのアメリカ車やオープン2シーターのイギリス車などが並び、普通のイベントなら主役クラスが揃うのですが、ここでは国産旧車たちが主役のようです。

輸入車
さの新春うんめぇもんまつりでごった返す会場を後にすると、商工会議所の裏手にでます。ここが輸入車たちの並ぶ会場になっています。祭りのため見落とされがちな場所ですが、名車が並んでいます。

今回のミーティングを主催した日本旧軽車会では、2020年に26回も同様のイベントを開催予定ということです。今回見逃した人にも、まだまだ国産旧車たちと触れ合う機会がありそうです。

(文と写真:増田満)

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この記事の著者

増田満 近影

増田満

複数の自動車雑誌編集部を転々とした末、ノスタルジックヒーロー編集部で落ち着き旧車の世界にどっぷり浸かる。青春時代を過ごした1980年代への郷愁から80年代車専門誌も立ち上げ、ノスヒロは編集長まで務めたものの会社に馴染めず独立。
国産旧型車や古いバイクなどの情報を、雑誌やインターネットを通じて発信している。仕事だけでなく趣味でも古い車とバイクに触れる毎日で、車庫に籠り部品を磨いたり組み直していることに至福を感じている。
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