■スペック的に近いのはフォルクスワーゲン・ゴルフR
メルセデス・ベンツ AクラスやCLAクーペには、「A45 S」という超激辛モデルが君臨し、421PSという最高出力は量産車の2.0Lターボエンジンで世界最強を誇ります。
900万円クラスの価格も含めて「45までは不要」というニーズに応えるのが「35」モデル。Aクラス(ハッチバック、セダン)、CLAクーペに設定されていて、FFコンパクトカー向けの「MFA-2」プラットフォームに用意されるスポーティ仕様といえます。
メルセデス・ベンツA35 4MATIC Edition 1の走り
「45」ほどではないにしても「35」は、公道であれば十分にレーシーといえる走りが味わえます。「M260」型の2.0L直列4気筒ツインスクロールターボは306PS/5800〜6100rpm・400Nm/3000〜4000rpmというスペックで、0-100km/h加速は4.8秒。最高速は250km/hに達します。組み合わされるトランスミッションは、7速DCT(デュアルクラッチトランスミッション)で、パワートレーンはMercedes-AMG用に最適化されています。
メルセデス・ベンツ「A35 4MATIC Edition 1」の2.0L直列4気筒ターボエンジン
ライバルは、以前お伝えした「最速のGTI」を名乗るフォルクスワーゲン「ゴルフGTI TCR」も当てはまりそうですが、スペック的に近いのは「ゴルフR」の方。ゴルフRは、310PS、0-100km/h加速は4.6秒、4WDの4MOTIONが組み合わされています。
■乗り心地はハードでも日常使いもOK
スポーツモードを「スポーツ」にすると、公道では当然ながらアクセルを床まで踏み切れないほどの圧倒的な加速の伸びが味わえるうえに、低速域の力強さや中間加速も十分以上で、スムーズに走らせるには「エコ」「コンフォート」の方が向いているくらい。
「スポーツ」では、エンジンレスポンスが高まり、パワステもずしりと手応えが増し、デュアルクラッチトランスミッションは、ブリッピングを伴いながらより素早い変速が可能になります。
さらに、新開発となる「AMG RIDE CONTROL」サスペンションは、スプリングやサブフレームが専用開発されていて、実用に耐えうる乗り心地を担保しながら、アジリティの高さと正確なロードフォールディングをもたらしてくれます。足まわりは硬めでも高いボディ剛性感もあり、ボディやシートへの衝撃は素早く収束する印象。
AMG 4MATICは、前後トルク配分を「100:0」〜「50:50」で可変させ、トラクションの高さと意のままのコーナリングを可能にするのが自慢です。狭い山岳路でも自在に向きを変え、リヤの踏ん張り感もあり「AMG RIDE CONTROL」サスペンションとの組み合わせにより、メルセデスらしい自然な操舵感が得られるのも美点に感じられました。
シートも見どころで、前席はホールド性の高いスポーツシートが与えられ、身体をすっぽりと包み込み、公道であれば十分な拘束性を発揮してくれます。座面前後長の調整が可能なので、長身の方にも対応してくれそう。
「A35 4MATIC Edition 1」のフロントシート
なお、試乗車は「A35 4MATIC Edition 1」という600台限定車で、専用エクステリアやインテリアが与えられたレーシーな仕様で、車両本体価格は743万円となっています。
(文/塚田勝弘 写真/塚田勝弘、メルセデス・ベンツ日本)