■CVTのヴィッツGR SPORTでDAY1をクラス2位!
11月8日〜10日に愛知県長久手市のモリコロパークを中心に、愛知県と岐阜県の広範囲に渡り開催されたWRC RALLY JAPAN 2020のプレイベント「CENTRAL RALLY AICHI/GIFU 2019」。
このラリーは排気量や改造範囲などでクラス分けが行われ、また出場カテゴリーなどから国際格式と国内格式の計8クラスでエントリーされています。
もっとも参加台数の多かった国内格式クラス4で、CVTながらDAY1を2位という好成績で終えたのがGR Tokyo Racingのヴィッツ GR SPORT。
このGR Tokyo Racingのヴィッツ GR SPORTのCVTはスポーツCVTと言われるもので、CVT自体は市販のものと同じですが制御が全く別モノ。ソフトウェアだけで走りを大きく変えたものです。それでもこのクラスだとマニュアルシフト車に分がありそうですが……
実際にドライブを担当した長山等選手にお話を伺うと「シフト操作から開放されてハンドリングに集中できるのでそこが良かったのではないかと思います」と語っていただきましたが、好成績の理由はそれだけでしょうか?
「普段のモータースポーツ活動はNets Cup Vitz Raceに出場しています。そこでの経験が生きていることは言えると思います。ラリーではTOYOTA GAZOO Racing Rally challengeに参加していましたがメインはVitz Raceですね」
長山選手はNets Cup Vitz Raceでは上位グループを走る猛者。CENTRAL RALLY AICHI/GIFU 2019の翌週に開催された関東シリーズの最終戦もてぎでは予選4位から決勝3位となり表彰台へ登っています。レース用のVitzはマニュアルシフトとのこと。
「コ・ドライバーとのコミュニケーションがラリーの勝敗を考える上では一番重要だと思います。今回はダカールラリーのドライバーでもあった寺田昌宏さんがコ・ドライバーとして参加していますので、そのコミュニケーションがとてもうまくいきました」とも語る長山選手。
レース経験やTGRラリーチャレンジなどでテクニックを磨き、CVTでハンドリングに集中出来て、コ・ドライバーとのコミュニケーションがうまく行ったからこそのDAY1で2位というリザルトが残せた、ということのようです。
■観客の多さに驚き!こんなラリーが走れるならRALLY JAPANに出たい!
競技2日目となる11月10日、ラリーの本拠地である長久手市のモリコロパークを朝5時30分という早朝からラリーはスタートしていきます。
長山選手は「ラリーといえば山の中の広場からスタートするものだと思っていましたが、セントラルラリーはビルも建っているような市街地のきれいな公園からスタートするというのが新鮮でしたね」とCENTRAL RALLY AICHI/GIFU 2019を振り返ります。
「TGRラリーチャレンジだと本当に山の中でスタートして山の中を走るので観客の方がいるなんてことはほぼ皆無。それでも参加車の数は多いしサービスパークはにぎやかではありますけど、セントラルラリーは移動区間のリエゾンもタイム計測をするスペシャルステージ(SS)も多くの方が観に来られていました。日本のラリーって観るスポーツではないと思っていましたけど、人の多いところで開催すればちゃんと人は観に来てくれるんだ、と思って感動的でした」と観客の多さに驚いた様子の長山選手。
「SSも山の中で本当に計測をするところは人里離れた雰囲気はありますが、そのスタート地点はやっぱり大勢の人が見に来てくれます。スタート地点の近くに住んでいるというお婆さんが、こういうことは初めてだから、といってスタート待ちをしている僕らの写真を撮ってくれたりすることもありました。地元の方々の歓迎ムードははっきりと解りましたね」ともお話しいただきました。
「来年のRALLY JAPANも雰囲気の良い中で開催されるのでしょう。今回のセントラルラリーではDAY2の序盤でリタイヤしてしまいましたが、チャンスがあったら是非参加したいと思います」と、ご自身のレース用のマシンの前で語っていただいた長山選手。
長山選手の所属するGR Tokyo Racingはチームと契約するドライバーの他に、長山選手のようにチーム母体のトヨタモビリティ東京に勤務する社内ドライバーも数多く在籍します。そんな社内ドライバーの方々にクルマの購入相談だけではなくラリーやレースの貴重な経験談も聞いてみるのもクルマの楽しさを知る上では面白いかもしれません。
(写真・文:松永和浩)
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