■1.2Lガソリンターボ&8速ATの組み合わせで小気味よい走りが楽しめる
「CMP」と呼ばれる新しいプラットフォームを使って仕立てられたコンパクトクロスオーバーSUVのDS3クロスバック。同プラットフォームは、新型プジョー208や2008にも使われ、電動化も見据えた設計となっています。
1.2Lの直列3気筒DOHCターボを搭載し、アイシン・エィ・ダブリュ製の「EAT8」と呼ばれる8ATとの組み合わせで、130PS/230Nmというアウトプットを得ている日本初導入モデルのDS3クロスバック。
同エンジンは「EURO 6.3」をクリアし、1.0L〜1.4L部門の「インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー2018」を受賞するなど、世界的に評価されているエンジンになります。
なお、本国では155PS/240Nmのガソリンエンジンのほか、101PS/250Nmの1.5L直列4気筒ディーゼルターボも設定されています。
日本仕様は、燃費やストップ&ゴーの多い道路事情などを考慮して130PS/230Nmの1.2Lガソリンターボエンジンが選択されています。
動力性能的には、発進時やパーシャル域からの加速時など、線の細さを抱かせるものの、過給が始まれば小気味よい走りが可能。決して速くはないですが、まさに必要十分といえるパワーユニット。
8ATの変速は極低速域で音や振動が伝わってきますが、個体による症状なのかは不明です。なお、アクセルオフ時にはコースティングモードになり、燃費改善が図られています。
白眉なのが乗り心地。いわゆるフランス車的なソフトな乗り心地ではなく、ボディの剛性感の高さに加えて、よく動く足、硬めなテイストの中にも柔らかな動きが感じられ、シートの減衰力もあって無粋な揺れが伝わってくることはありません。
BセグメントのSUVということを考えると、乗り味の良さはトップレベルに達していて、上位のCセグメントと比べても見劣りしません。ほかにも、アダプティブクルーズコントロールやレーンキープアシストの介入も強めでしかも精度の高さも感じられます。
全高1550mmの立体駐車場に入る小さなボディながらも広めの荷室も確保されていますから、夫婦ふたりの荷物をたくさん積んでロングドライブに出かけても疲れを誘わない性能を有していて、DS3クロスバック1台で満足感のあるカーライフを満喫できそうです。
(文/写真 塚田勝弘)