千葉県・幕張メッセで開催されているカスタムカーの祭典「東京オートサロン2019」。中5ホールのキノクニエンタープライズのブースではドイツ最高峰のモータースポーツカテゴリーであるDTM(ドイツツーリングカー選手権)に出場している「アウディRS5 DTM」の様なマシンが展示されています。横には日本で開催されているドリフト競技「フォーミュラ・ドリフト・ジャパン」のゼッケン。
このクルマの正体は、アウディA5をベースにしたドリフト専用マシン「Audi KHR5」です。
パイプフレームで延長されたエンジンルームにはアメリカンV8 7.4Lエンジン「LSX454R」。このエンジンはGMシボレーが単体で販売している競技(ドラッグレース)向けエンジンで780馬力/89.7kgmを発生します。ブース担当者によるとドリフト競技に必要な低回転域からの分厚いトルクを求めた選択とのこと。
将来的にはスーパーチャージャーの搭載も視野に入れており、鉄ブロックということで1000馬力超も狙っていくそうです。
外観はDTMマシンをイメージしており、リアウィングにある「SEE YOU!」は昨シーズンでDTM参戦を終了したメルセデス・ベンツAMGにアウディが送ったメッセージで「感動的だったので再現したかった」とのことでした。
内装は、トレンドに合わせて機能的かつシンプルなものになっておりアウディの面影はなくなっています。リアシートとトランク位置には大型の安全タンクが設置されています。
そもそもこのクルマを作った意図を聞いてみるとココ最近のドリフトマシンで型破りなマシンが1台もなく面白くないというところからスタートしたと話してくれました。確かにドリフトに出てくるクルマというとトヨタマークⅡやマツダRX-7や日産シルビアとほぼ定番化しています。
「フォーミュラ・ドリフト・ジャパン」の親といえるアメリカの「フォーミュラ・ドリフト」はトヨタカローラやダッジ・バイパーなどバリエーションに富んでいます。「アメリカで活躍する選手がフォーミュラ・ドリフトジャパンに出たいと思ってもらう為に作った」と語ってくれました。
今年のフォーミュラ・ドリフト・ジャパン開幕戦「鈴鹿ツインサーキット」から参戦予定でマシン開発は急ピッチに進めています。ドライバーは飯塚一哉選手です。
(写真・文 クリハラジュン)