礼文島の見どころを結ぶドライブコース、前回は香深(かふか)フェリーターミナルを起点に南端をおよそ2時間で廻りました。稚内から朝イチのフェリーで来島した場合は午前中で済ませられるので、今度は北側へ向かいます。
道道40号線、香深井あたりから見た利尻富士。手前は昆布干し場です。砂利が敷き詰められているところは「空き地」ではなく昆布干し場ですのでドライブの際は駐車しないようお気をつけください。
香深フェリーターミナルから約25km、一気に利尻島最北端の【スコトン岬】へと走ります。礼文島を南北に縦断する道道40号線は延々と海岸を走るのでロケーション抜群です!
スコトン(須古頓)岬は海が一望できるうえ、朝日も夕陽も見られる贅沢な景勝地。水平線に浮かぶ海驢(トド)島は現在は無人島ですが、かつては名前の通りトド漁が行われており、船泊港から観光船が航行し民宿もあったそうです。
スコトン岬で唯一のお店【島の人 礼文島本店】では、特産の昆布やウニをはじめとしたお土産品のほか昆布ソフトクリーム、昆布ビールが味わえます。2018年6月時点ではお食事メニューはありませんでした。
【島の人】が経営する最北のお宿【民宿スコトン岬】は岬の東側、波打ち際に佇む一軒家風の民宿で、目の前はプライベートビーチ状態! 泊まってみたくなる素晴らしい立地です。
スコトン岬から戻って約5km地点から右折、約3kmで行き止まりとなり、礼文島西海岸に位置する【澄海(スカイ)岬】に到着。駐車場とトイレ、売店が3軒並んでいます(6月時点では1軒お休み)。
駐車場から岬までは遊歩道で5分程度。澄海岬(西上泊園地)は丸い湾になっていて、その海の青さたるやまるで南国のようです! 時間に余裕があれば、売店のある駐車場から岬の向こう側の鉄府漁港までトレッキングコースで繋がっているので、途中まででも歩けばより素晴らしい絶景を堪能できます。
こちらの名物は『トド串(250円)』。春先に漁師さんが穫ったトドを、売店の女将さんがオリジナルのタレに漬け込んだ手づくりの逸品です。 歯ごたえがあり、味は鯨肉に似ています。トド肉の缶詰を食べた経験がありますが、それと比べると柔らかいし味付けが濃すぎず臭みもなくて、美味しかったです。
澄海岬から、また戻って6kmほどで久種湖へ。香深からスコトン岬へ行く途中、ここを通り過ぎて来ています。礼文島では行ったり来たりが多いんですよね。
筆者は、この湖畔にある【久種湖畔(くしゅこはん)キャンプ場】を拠点に滞在していました。テントサイト、オートサイト(電源付き2,500円)、コテージ、バンガローがあります。コインランドリー(洗濯機300円、電気乾燥機30分300円)、シャワー(15分100円)あり。ペット不可。駐車場での車内泊もOK、大人1名600円です。
ちなみに久種湖畔キャンプ場から【うすゆきの湯】までは約18km。礼文島内にはもう1ヶ所、島の真ん中あたりに【緑ヶ丘公園キャンプ場】もあるのですが大型キャンピングカーには道幅が狭いだろうと観光案内所からご助言いただいたので、遠慮しました。
久種湖畔には遊歩道が整備されており、野鳥観察小屋までは湖畔沿いのフラットな小径、展望台へ登れば久種湖や船泊港、金田ノ岬が一望できます。森林の丘展望台にも駐車場がありますが、トイレは閉鎖されていました(2018年6月現在)。キャンプ場から森林の丘経由で湖畔を戻るトレッキングコースは約1時間くらいです。
周辺にはスーパーもコンビニもないので、お買い物には船泊港付近の【漁協ストアー】がオススメ。夕方には売り切れてしまうので、できれば早い時間帯に来店すると海老やホタテなど新鮮魚貝類が手に入ります。
また、町役場支所【輝(きらり)交流館】にてWi-Fiが利用できます。余談ですが礼文島内で公衆Wi-Fiが利用できるのは香深港FT、礼文島郷土資料館(ピスカ21)、礼文町役場、北のカナリアパーク、そして輝交流館の5ヶ所しかパンフレットには載っていませんでした。
久種湖から約3km、スコトン岬とは反対側、東側に突き出している【金田ノ岬(金田岬)】は断崖絶壁という訳ではなくなだらかな岩礁。お店が1軒ポツンと建っています。この金田ノ岬の丘の上に礼文空港があるのですが、現在は休港中です。
海岸線に浮かぶスコトン岬(西側)、利尻島(東側)など景色を楽しむのはもちろんですが、ここで最も有名なのは…
野生のアザラシです。天気が穏やかな日には、岩礁を寝床にのんびり寛いでいる姿を間近に見る事ができます。波打ち際まで来る事もあるので、驚くほど近いです。写真愛好家の方は、水平線から昇る朝日をバックにアザラシを撮るため早起きしてスタンバイするのだとか。夏の北海道、日の出は4時前後くらいでしょうか。
金田ノ岬でただ1軒のお店【あとい】では、お土産品のほかご当地ならではの新鮮魚貝類をふんだんに使ったお食事が楽しめます。海鮮丼 2,800円(写真)、三色丼 3,500円など豪華な海の幸に舌鼓。
礼文島の北側にはお食事処が少ないので、そういう意味でも金田ノ岬に立ち寄る事をお薦めします。営業時間は15時までですが、お食事するなら14時までに入店した方が確実です。
ラストは、レッキングすることなく礼文島の固有種をはじめ高山植物を見る事ができる【高山植物園】。営業期間5月~9月(9月のみ日曜定休)、9:00~17:00、入園料300円。礼文アツモリソウは見頃を終えていますが、ここでは咲く時期を調整しているので礼文ウスユキソウなら8月まで見られる可能性があります。自然界では、今年は全体的に花の開花が早いようです。
売店などはないのですが、帰りに植物園で採集した様々な植物のタネをプレゼントしてくれます。筆者は欲張って10種類ほどいただいちゃいました。他にない、素敵なお土産にもなりますね。
香深港への帰り道、ちょうど礼文島の真ん中あたりにある【うに剥き体験センター】では、ウニを自分で割って食べるという体験ができます。1個800円で、所要時間は10分程度だそうですのでフェリー乗船までの時間調整にももってこいです。
【ドライブコース】
香深フェリーターミナル → スコトン岬 → 澄海岬 → 久種湖 → 金田ノ岬 → 高山植物園 → 香深FT で、およそ64km、ノンストップで走れば約1時間半です。
香深FTから一気にスコトン岬へ行くか金田ノ岬へ行くかは、金田ノ岬でランチにするかどうかで決めるといいと思います。
礼文島から稚内へのフェリー最終便は17:05発-19:00着(7〜8月)。洋上から水平線に沈む夕陽と利尻富士が眺められるかも知れません。
次回は利尻島へと上陸します。ちなみに礼文島から利尻島(鴛泊港)へのフェリー最終便は16:25発-17:10着(7〜8月)です。
(松本しう周己)
【関連リンク】
ハートランドフェリー
http://www.heartlandferry.jp/