新型フォレスターの「Xモード」でドキドキを共有すると恋愛成就しちゃうかも!?【スバル・フォレスター試乗】

スバルの新型フォレスター。ここ最近、マイナーチェンジでもフェイスリフトでも全部「新型」とついていて分かりづらいのですが、正真正銘のフルモデルチェンジした「新型フォレスター」です。

フォレスターはスバル車の販売台数のうち約3割を占める、世界一売れているスバル車です。

中でも米国での人気が高いため、世界初公開の舞台は今年3月のニューヨーク・モーターショー。その直後に日本でも北米仕様のメディア内見会を実施しました。そして6月に新車発表会。そして今回の試乗会。とはいえ、実はまだプロトタイプとのことなので、クローズドコースでの試乗ですが、今回の試乗会では日本国内のメディアだけではなく、海外メディアの試乗会も行うという、まさに気合が入った試乗会!

エンジンは2.5Lのガソリンエンジンと、2Lのガソリンエンジン+e-Boxer付きの2タイプ。

「e-Boxer」とは、スバルの人曰く「モーターを走りの楽しさに変える」ものとのこと。モーターを組み合わせたハイブリッドというと、従来はプリウスのように燃費を良くすることが主流ですが、e-Boxerは、小さなモーターを搭載して駆動用に使い、最初のひと踏み目の出だしにモーターを使ってサポートしたり、燃費の良い制御をしてくれたり…。つまり「マイルドハイブリッド」のようなもの。

新型フォレスターは、SGP(スバル・グローバル・プラットフォーム)を採用した3番目のモデル。ボディの剛性を高めたうえ足回りを強化し、さらに低重心にしたことでロールが抑えられ、クルマの挙動が安定しています。乗り心地もよくなり、踏んだ時の軽快感も増えています。

試乗ではオンロードのコースを2.5Lガソリンエンジン車、2.0Le-Boxer、そして現行フォレスターに試乗しました。が、2.5Lエンジンモデルはパワフルに走りますが、ファブリックシートだったせいかシートへのおさまりも良い感じ。2.0Le-Boxerは、車重は2.5Lエンジンより重いのに、こちらのほうが軽快さはあります。これは好みが分かれそう。

しかし、現行のフォレスターと比べると、まさにアクセルのひと踏み目、走り出した瞬間からアクセルやハンドルの重さ、室内の静粛性、路面の音や凹凸を拾う感じ、すべてにおいて新型フォレスターのほうが滑らかなのがわかります。

そして今回のウリのひとつは、顔認証で最大5人分のドライビングポジションを記憶することができる、世界初搭載の「ドライバーモニタリングシステム」。あらかじめ登録すると、クルマに乗り込んだ瞬間に自分のドライビングポジションに自動的になってくれるというものです。ちなみに前方のディスプレイの中にカメラが内蔵されていて、そのカメラでドライバーの目を見て居眠り警告なども行ってくれます。

そしてもうひとつ。新型フォレスターがオフロードをワイルドに走る「Xモード」を体験するプログラムも。滑りやすい路面では「SNOW・DIRT」モード、さらにタイヤが埋まるような悪路での最強モード「DEEP SNOW・MUD」モードが加わったことにより、斜面に乗り上げるときにお腹が付かないようにする「アプローチアングル」は20.2度、後ろの「ディパーチャーアングル」は25.8度、そして斜面を乗り越えるときの「ランプブレークオーバーアングル」も21.5度と大幅に進化。最低地上高も220mm確保されています。

とはいえ、大体の場所はノーマルモードでもグイグイ行っちゃいます。しかしそれでダメな場合、この2つのモードを使えばかなりの場所までOK。普段は使わないかもしれませんが、あると楽しく、しかも万が一の時にも活躍するかもしれないことを考えると、嬉しい安全性能です。たとえばカップルがキャンプに行った時などにオフロードコースを新型フォレスターで走る機会があったら、とても楽しいアトラクションになると思いますし、クルマもドライバーも頼もしく感じられるはず。

よくデートの時にお化け屋敷やジェットコースターでドキドキ体験を共有すると恋に落ちやすいといいますが、新型フォレスターでワイルドな路面を共有すると、もしかすると…!?

(吉田 由美)