中国生産に意味あり! BMWが公開した「第3のiモデル」iX3は、2020年市販予定【北京モーターショー2018】

「i」というブランドで推し進めているBMWのEV。中国といえば今や「盛大なEVフィーバー」というわけで、BMWもスルーするわけにはいきません。北京モーターショー2018で何台かの電動車両をお披露目しました。

その1台が「iX3」。2020年に市販予定で、容量70kWhを超えるバッテリー(かなり大きいですね)を搭載して1充電当たりの航続距離は400km以上…という話はすでにご紹介しましたので、ここでは違った側面からこの「iX3」を紹介しましょう。

これまで「i」モデルは「i3」に「i8」と2つのモデルが発売されていて、この「iX3」が3番目のモデルとなるわけです。しかし、クルマとして考えると「i3」や「i8」と「iX3」で大きく違うのが成り立ち。

「i3」や「i8」は普通のBMWにベースモデルが存在しない「iモデル専用車」であり、電動専用のボディでした。しかし「iX3」にはX3というベースモデルがあり、それをiブランドのモデルとしてEV化したもの。

「専用かそうじゃないか」という成り立ちはキャラクター的にはかなり大きな違いですが、BMWがこれからEVのラインナップを広げるにあたっては既存のモデルとボディを共用するのを避けられないと判断したということでしょう。

もうひとつ、従来のiモデルとの大きな違いはボディの構造。「i3」や「i8」は軽量化のために、まるでレーシングカーのようなカーボンのボディを使っていました。しかしこの「iX3」はX3とボディを共用するので素材はスチール。カーボンボディはとにかく製造コストがかかるので、値段を下げて数多く売るにはこの選択は必須だったのかもしれません。

ちなみに中国は輸入車に対して25%という高率の関税がかかります。しかし北京モーターショーで、中国で現地生産するX3(下の写真)を発表しました。中国向けのiX3は現地で作れば……というわけですね。

(工藤貴宏)

この記事の著者

工藤貴宏 近影

工藤貴宏

1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに執筆している。現在の愛車はルノー・ルーテシアR.S.トロフィーとディーゼルエンジンのマツダCX-5。
AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。
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