【日産・セレナe-POWER試乗】静かで気持ちいい加速を得られるe-POWER、ただし価格もちょっと高めで悩ましい

セレナに新しく追加されたeパワーは、エンジンで発生した動力を電気に変換して走る、シリーズハイブリッドモデルです。

加速はSモードとノーマルモードが同様の力強さで、エコモードは少し加速を抑えて燃費を稼ぐ設定になっています。とはいえエコモードでもアクセルペダルを床まで踏み込めば強い加速を得られますので、通常はエコモードで乗ることをおすすめします。

モーター駆動は全体としてノイズレベルが低くなるので、ノーマルに比べてノイズ対策が多くなっています。具体的には遮音中間膜が入ったガラスや、4層構造のフロアカーペット採用されるなど25項目にもわたる対策が施されています。ゆったり走るとこの遮音性の高さが生かされ、かなり静かな車内空間を確保しています。

運転支援装置には新たにハイビームアシストが追加されました。標識認識や踏み間違い衝突防止アシスト、インテリジェントアラウンドモニターはアップデートされ、さらに性能を向上しています。プロパイロットと呼ばれるACCや車線維持のステアリングアシストはマッチングがよくなった感じがしました。とくにステアリングアシストは動作時の動きが滑らかになった印象がしました。

セレナにはガソリンエンジン車、Sハイブリッド車、このeパワーと3種のパワーユニットが用意されますが、ドライブフィールの面から選ぶとeパワーがもっともマッチングがいいという印象です。ただし、価格面を見るとガソリンエンジン車が243万5400円〜296万6760円、Sハイブリッドが273万3480円〜319万4640円、eパワーが296万8920〜340万4160円と悩ましい設定となっています。

(文:諸星陽一/写真:小林和久)

この記事の著者

諸星陽一 近影

諸星陽一

1963年東京生まれ。23歳で自動車雑誌の編集部員となるが、その後すぐにフリーランスに転身。29歳より7年間、自費で富士フレッシュマンレース(サバンナRX-7・FC3Sクラス)に参戦。
乗って、感じて、撮って、書くことを基本に自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとする。理想の車生活は、2柱リフトのあるガレージに、ロータス時代のスーパー7かサバンナRX-7(FC3S)とPHV、シティコミューター的EVの3台を持つことだが…。
続きを見る
閉じる