これまで上昇し続けていたガソリンの小売価格ですが、3ヶ月ぶりに値上がりが頭打ち傾向にあるようです。
世界経済は需要と供給のバランスで成り立っており、今回米国がシェールオイルを増産するとの予測を受け、原油価格がほぼ横ばいで推移し始めたようです。
中東産油国による原油採掘拡大などにより2015年以降原油価格の低下が続いたため、これまで長期に渡って原油生産量に制限を設けてこなかったOPEC(石油輸出国機構)が原油の採掘量を抑制。2016年に入ると原油価格が上昇に転じ、連動してガソリン価格の上昇が続いています。
2015年の原油価格低下の背景には、米国がシェールオイルの生産・輸出を拡大したことで原油の需給バランス崩れ、原油量が世界的に超過傾向となったことも大きな要因とされているようです。
では、今後のガソリン価格はどのように推移するのでしょうか? その答えは中東の原油政策と米国のシェールオイル政策に委ねられているともいえそうです。
というのも上述のとおり、米国では中東政策による原油価格上昇を受け、今年に入ってシェール生産地区の開発活動を活発化させるなど自国内のシェールオイルの生産量を再び拡大させる動きをみせており、2018年には米国における原油生産量が過去最高になるとの予測もあるようです。
今後の見通しについては、中東/米国産原油の流通バランスがとれれば、やがてガソリン価格も安定方向に向かうと予想されますが、先頃米トランプ大統領がエルサレムをイスラエルの首都と認めたことで、中東情勢が今後どのように推移するかといった問題もあり、引き続き予断を許さない状況が続きそうです。
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